殺人鬼の言葉
私は何気なくテレビをつける。
来ないだの殺人事件のニュースが流れている。
【学校前4人の遺体発見、犯人捕まらず】
しかし、大胆な犯行なのになぜ犯人は捕まらないのだろう…
やはり警察もぐるなのか。
試しに警察に犯人は母ですと言ってみる。
いや、だれもそんなこと信じないか…
ボケッとしていると、スマホが鳴る。
私はビクッとする。
「非通知…」
出た方がいいのか…
「も、もしもし」
私は急いで録音ボタンを押す。
「はーい、沙夜ちゃん。元気」
「あんた、何で私の番号を知ってるのよ」
「あら、何ででしょうね?」
声の主は相良真奈美だった。
「あんた、なんであのアパートごと焼いたのよ?関係ない人まで死んだじゃない」
「えっ?だって証拠は消さないと、まぁ巻き込まれた人は残念だったわね」
だめだ、こいつやお母さんには普通の道徳なんて通じない。
「で、何の用なの?」
「いや、なんだかすごいことになってるわね」
「え、ああ学校のこと」
「そうそう、わざわざあんな見せびらかすなんてなかなかの狂気よね」
「あんたが狂気なんて言うなんてね」
「私は自覚ありますもん」
「私みたのよね、あなたの祖母があの遺体を夜に置いているのを」
「え、そうなの」
「うん、深夜だから誰も見てないと思ってたみたいね、そのあと遺体の具合をみたけど、あれは殺されたのは午後3時~4時位だと思うわ」
「何でそんなことわかるのよ」
「私は殺人者よ、そのくらいはわかるように勉強してるわよ」
「ねえ、それって間違いないの?」
「うん、間違いないわ。信じて」
「だとしたら…」
「ふふ、違和感に気づいたわね、じゃあね」
「あ、ちょっ、ちょっと待って」
電話は切れる。
しかし、私が感じていた違和感はわかった。
もし、志望推定時刻が真奈美の言う通りが本当なら、私はその時間学校にいた。
そして、帰るのを止めたのは…
あの保険医だ。
あの保険医は保護者がいるからここで待てと言っていたが本当は保護者など来ていない。
その時すでにお母さんと接触していた。
じゃあ、あの保険医はグルってことか…
まさか学校にまで共犯が入るなんて。
真奈美はどうしてそれに気づいたの?
まずはあの保険医を攻めてみるか。
(ネズミ…)
私は昨日の二人の言葉を思い出して行動を起こせずにいた。
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