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扉を開けたが最後
「じゃあ、これは父さんの耳なのか?」
父さんはここで殺されてわざわざ家に犯人が戻した?
父さんの遺体は警察に運ばれてしまい、確認がとれない。
「ねぇ、お兄ちゃん。私たちがみた遺体ってお父さんじゃなかったとか」
「でもそしたらあの遺体は誰になるんだよ」
僕は頭の整理ができず、思わず強い声になる。
「ごめんなさい」
「沙夜、ごめん、僕も動揺しちゃって、もう少しさがしてみようか?できる?」
沙夜はうなずいた。
僕たちの捜査は明け方まで続いた。
そろそろお巡りさんさんも来るだろう。
「結局、耳とメガネだけか」
メガネは持ち帰るにしても耳は…
「お兄ちゃん、とりあえずこの耳はここに埋めておきましょう、今後何かの参考になるかもしれないし」
沙夜の提案に驚いたが僕は黙ってしたがった。
そして、僕たちは家に帰り順番にシャワーを浴びて、昼間まで疲れて寝込んでしまった。
この日、山崎の遺体が学校裏で首なしの状態で見つかったことを僕はあとで知ることになる。
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