狂気再び
男子生徒が目を冷ますとそこは、薄暗い一室だった。
「な、なんなんだよここは?」
辺りを見回すと、隣には同じクラスの美幸が椅子に縛られて眠っていた。
「おい、美幸起きろ、美幸」
その声に美幸は目を覚ます。
「うるさいわね、なんなのよ」
「なんなのよ、じゃねぇよ。この状況みてみろ」
「えっ、何これ?何で私たち縛られてるのよ」
「俺だって知らねぇよ、学校帰りに、知らないおばさんに声をかけられて気づいたらここに」
「おばさん?私もおばさんに声をかけられたけど…記憶がないわ」
「ってことはそのばばあが俺たちを」
「まぁ、言葉が汚いわね」
「あ、あんたさっき俺に声を書けてきたばばあじゃねぇ」
顔を思い切り蹴られる
「うがぁぁ」
「言葉に気を付けろ、クソガキなんてね」
「あんた、いったい誰よ」
「名乗る程のものではございません」
「そうね、この町の秩序を守る者なんてね」
「ふざけんなてめぇ」
「あなたたち今日、学校で問題を起こしたんだってね」
「な、何でそれを、あなたもしかして、あの女のお母さ」
バキッ美幸の顔に思い切り拳が入る。
鼻が折れた音がした。
「ほんとさっきから言葉使いが悪い子たちね」
「俺達は悪くねぇよ、お前の娘がいけすかねぇことするから」
「じゃあ、私もあなたたちがいけすかねぇから殺しちゃおうかな」
「まじでなんなのこいつ、やばいよ」
ヒュッと美幸の頬を何かが接触する。
「えっ」
頬から大量の出血が出る。
南川早苗は右手のナイフで切りつけた。
「うちの娘ね。大好きだった兄が殺されちゃってナイーブなのよ、だから邪魔しちゃ困るの、せっかくあと少しでこちら側に引き込めたのに」
「何をいってるんだよ、このばばあ」
つかつかと早苗は男子生徒の前に立つ。
そして、唇にナイフをあてて横に切り裂く。
「ぐぎやぁぁぁぁぁ」
「これでもう大きな声は出せないわね」
「ひっひぃ」
美幸は恐怖のあまり失禁をした。
「ちょっとおしっこはトイレでしなさいよ。女の子なのにはしたない」
さてと、あまり時間もないし、早苗は男子生徒の右手を掴む。
「この手で殴ろうとしたのよね」
ノコギリを取り出して右手を切断していく。
「が、があああ」
男子生徒は失神する。
「あなたは両手で沙夜を掴んだのよね」
「いや、やめて、いや、いや」
同様の手口で両手の切断を始める。
この様子だと途中で息絶えるかしら。まぁそれでもいいや。
「ふぅ、終わった、終わった、すごいわ。ふたりとも失神はしてるけどまだ生きてる、どっちが先に出血多量で死ぬか競争よ」
もはや、二人からは声は発せられない。
「はぁつまらない、もうおしまいか」
「おやおや、今回は二人か」
「あら、どうも。お父さんもいなくなっちゃったし、2人で処分しましょうか」
「そうだねぇ、でもなんでこの子達を殺したんだい?」
「この子たち、今日沙夜と暴力事件を起こしたんだって」
「そうか、それじゃあ仕方ないね。でも沙夜が疑われないかい?」
「大丈夫よ、何とでもなるわ、実際あの子は何もしてないわけだし」
ふたりはなれた手付きで死体を片付ける
「そりゃそうだわね」
「このふたりは行方不明でおしまい、それだけよ」
「そうだね」
「じゃああとは宜しくね、私買い物にいかなくちゃ」
「はいはい、あまり年寄りに無理はさせんでくれよ」
「はーい、気を付けます」
早苗はスーパーにむけて歩いていった。
「やれやれ、ついてないね。この子たちは」
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