狂気の部屋
翌日、僕たちは学校が終わったら、合流する約束をした。
学校が終わり僕は足早に校門前に行く。
「おまたせ、沙夜」
沙夜は校門の前で待っていた。
「高等部の方が遅いのね」
沙夜はどのくらいまっていたのだろう。
「今日までに1階を探し終えよう」
「ねぇ、もしかしてだけどさ」
沙夜が言いにくそうに言う
「どうした?」
「私達の部屋の隣だったりしない?隣の部屋ならお母さんの部屋から入れたり…」
「母さんの部屋から隣の部屋に入れるように改装してあるってこと?」
「可能性の話だけど」
「わかった、今日は隣の部屋を探そう」
「うん」
「母さんは日中何してるのかな…」
「そうよね、お父さんも死んじゃったし、生活費とかどうしてるのかな…」
「そういえば、そうだな。働きに出ている感じもしないし」
そんな話をしていると、アパートに着いた。
「よし、隣の部屋に入るぞ、沙夜」
僕は覚悟を決める
「うん」
沙夜が僕の手を握ってくる。
そして、部屋の前にたち、ゆっくりと、音がならないように扉を開けた。
開けてすぐに異臭がした。
これは…間違いないようだ。
「沙夜、多分遺体がある」
「わかるよ、この臭いはそういうことでしょ」
「一緒に入れる」
「大丈夫」
僕らはゆっくりと部屋に入る
その光景に胃の中のものが逆流しそうになる。
「うぅ、沙夜みるな」
僕は沙夜をその光景を見せないように抱き締める。
「ちょっ、何を見たのよ」
沙夜は僕を振り払い覗き込む。
「あ、あああ」
椅子に座らされた、首のない遺体がひとつ
椅子に座らされた、顔面がぐちゃぐちゃの遺体がひとつ
四肢を切断された遺体がひとつ
沙夜は急いでトイレに行く
僕は遺体の状況を見る。
この中のどれが真奈美さんのお姉さんなんだろう。
この首のない遺体…服装が女性のものだ。
しかし、これだけの異臭よくも僕らの部屋に届かなかったな。
僕はとなりの母さんの部屋とこの部屋が繋がっているか壁をみる。
繋がってはいない。つまり母さんも鍵を持っているってことだ。
はぁはぁ
私は胃の中のものがすべてでてしまった。
どうしよう、トイレの水でるのか、音がしたらまずいか
でも仕方ない、トイレが流れるかレバーをひねった。
すると水が流れた。
水の流れる音が早く終わらないか、鼓動が早くなる。
そして、私はトイレから出る。
すると…お兄ちゃんは遺体をスマホで撮影している。
な、何をやっているの…
お兄ちゃん、あなたはもう壊れているの?
私は呆然とその光景を見届けることしか出来なかった…
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