協力すること
ガチャリ1階の一番奥の部屋に僕は入る。
誰かがいるわけではないが自然と靴を脱いで、ゆっくりと辺りを見回す。
僕らの部屋と間取りは変わらないのか…
僕は手当たり次第に部屋中を探した。
急がなくてはいけない、しかしこうしてみると意外と探す場所が多い。
これはもう一部屋とはいかないかな。
僕は慌てる。
もうかなりの時間がたったように感じた。
ない…何にもなかった。
この部屋ではないのか…
僕はガチャリと部屋から出た…
「何やってるの、お兄ちゃん」
「うわっ」
僕はビックリして鍵を落とした。
「ふーん、泥棒?」
「ち、違うこれは」
「沙夜、なんでここに」
「様子が変だったから、この鍵どうしたの?」
「…」
「お兄ちゃんもあったんだね、真奈美さんに」
僕は声が出なくなる。
「この鍵を使って各部屋にはいって何を探すつもりなの?」
「う、松田刑事と、真奈美さんのお姉さんの殺害現場と遺体…」
「やっぱり、私も探すわ」
「な、いいのか?」
「いいも、悪いも出てきてから考える…」
「お前は強いな、沙夜」
「強いのはお兄ちゃんだよ、一人でずっと犯人捜しを頑張ってたんでしょう」
「ま、まあそうだけど、でも沙夜。本当にいいんだな。これ以上踏み込むってことは、どうなるか…」
「覚悟しているわ、というより、真実を知りたいから‥なんで、なんでお母さんがこんなことをしているのかを」
「わかった、とりあえず隣の部屋を探して今日は終わりにしよう」
僕と沙夜は隣の部屋に入っていった。
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