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引っ越した町は悪に満ちている  作者: まなた
瑛人編
129/178

沙夜の崩壊

「ただいま」


「おかえり」


「へんねぇ、管理人さんいなかったわ」


「こんな時間なのに」


「ええ、昨日の夜から帰ってないんだって」


「事件に巻き込まれたのかな」


「いやねぇ、そんな物騒なこと言わないでよ」


「だってこの町は物騒じゃない」


「まぁそうね、とりあえず、奥さまに家賃は渡してきたけど心配ね」


「お兄ちゃんはゆっくり寝てるよ」


「そう、じゃあ今日はこのまま寝かして起きましょう」


そして、翌日…お兄ちゃんはまだ起きない。


私は一人で学校にいくふりをした。


そして、私はあるところに着いた。


「あら、予想外の子が来たわね」


「はぁ、はぁ、やっぱりここに隠れてたんだ」


「よく、ここがわかったわね、えーと沙夜ちゃんだっけ」


「気安くよばないでよ、相良真奈美さん」


「ねぇ何でここがわかったの?」


「お兄ちゃんのスマホ盗み見た」


「あら、プライバシーの侵害よ」


「ねぇ、あなた何者なのよ、どこまでこの事件に関わっているの?」


「あなたは何を知ったのかしら?」


「質問に答えてよ」


「私は今回の連続殺人には関わってないわ、利用されただけよ」


「は?どう言うことよ」


「はい、私の質問に答えて」


「えっ」


「あなたはどこまで知ってるの?」


「えっと、お母さんは、管理人さん夫婦と安田刑事と接点が過去にある、多分血縁関係があるのか…お母さんはこの町は初めてっていってたけどそれも嘘、お父さんを殺したのはお母さんだと思ってる」


「なかなかの推理ね。でもお父さんが殺されたときお母さんはあなたたち一緒にいたんでしょ?」


「だから、それは管理人さんか刑事のどちらかが」


「その二人よ、その二人があなたのお父さんを殺したの。理由はわかるでしょ」


「お父さんがお母さんに殺される理由ならわかる。私たちに気づかれないようにお父さんはお母さんにいつも暴力を振るっていた。でも空手を習ってたお母さんなら反撃できるはずなのにいつも黙って殴られてた。多分矛先が私たちにいかないように」


「そうね、理由はそれでいいと思う。ちなみに管理人夫婦はあなたの祖父母よ」


「え、お母さんの両親は小さい頃に亡くなったって」


「それは嘘、あなたのお父さん、お母さんの祖父母とうまくいってなかったみたい。だからお母さんは両親を殺したことにして、あなたたちとの接点を仕方なく断ったのよ」


「なんで、そんなこと知ってるのよ」


「管理人さんに直接聞いたから」


「えっ?」


「そこに明らかに違和感のある地面があるでしょう?瑛人くん、そこに管理人さんを埋めたのよ」


「は?何いってるのか理解できない」


真奈美は昨日の出来事についてかいつまんで説明した。


「管理人さんを銃で撃ち殺したのにどうやって今までのことを聞いたのよ」


「あれは嘘、本物の銃じゃなくてスタンガンを改造したものよ」


「瑛人くんは暗闇もあってか銃で私が殺したと勘違いしてね、私のために管理人さんを埋めてくれたの」


「でも、私には彼に聞かなければいけないことがあったからまた掘り起こしたのよ、大変だったわ」


「あんた、狂ってる」


「そうよ、でも狂っているのは私だけじゃないわよ」


「お母さんと管理人さんたちもっていいたいんでしょ」


「お父さん以降の殺人は誰がやったのよ」


「あなたのお母さん、祖父母、安田刑事、あとあの若い刑事…松田って言ったっけ、多分それくらいだと思うわ」


「でも、お父さん以外の殺人は関係ないじゃない」


「そうよ、それ以降の殺人はある人を覚醒させるため、あとはお父さんの事件を過去に起こった首切り殺人の被害者の一人に加えるため」


「覚醒って何よ」


「さあね。でも私ムカついたんだ」


「どういうこと」


「私ね、6年前からこの町で殺人を起こしてるのよ。最初は両親、次は祖母、その次は近所のおばあさん、そのつぎは…そう6年間殺人を続けて楽しんでたのに、その殺人を利用されちゃったからさ、私の楽しみを奪ったのよ、それどころか私を殺そうとした」


「な、何言ってるの、ほんとにあんたおかしいよ」


「ちなみに私は誰かに殺される危険を察知してたからうまく殺されずにすんだけど。あの時車を上から落としたのは松田とか言う刑事だったかな。そのあと見つからないのは多分あなたのお母さんに殺されたんじゃないかしら」


「そんな、お母さんはじゃあ何人殺してるのよ」


「もう数なんて関係ないんじゃない?」


「でも予想外だったわ、まさか私のお姉ちゃんが瑛人くんを殺そうとしちゃうんだもん、さっさと殺しとけばよかった」


「自分の姉なのに」


「結局、あなたのお母さんに殺されちゃったみたいだけどね」


「そんなあっさり言わないでよ」


「で、管理人…おじいちゃんはどこ」


「話したい?」


「真実を聞きたいわ」


「ならお母さんとちゃんと話してみたら、あなたは何で人を殺すんですかって、ふふふ」


「バカにしないでよ」

沙夜は真奈美に殴りかかろうとする。すると

真奈美か管理人の顔を付き出した。


「うっうぇぇぇぇ」


「あらあら、汚いわね」


「ごめんね、もうバラバラにして殺しちゃったの」


「うっうっ」


「大丈夫?」

真奈美は沙夜の背中を擦る。

触らないでそんな手で私を…


「今日はもう帰りなさい、真実を知りたければお母さんと話す、それ以外だったらそうね、瑛人くんと真実を追うといいわ。そうすればまた別の道が見えると思うから、じゃあね」


真奈美は吐き気で苦しむ私をおいて消えていった。


狂っている。全てが…





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