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引っ越した町は悪に満ちている  作者: まなた
瑛人編
125/178

動揺

「ただいま」

僕は部屋の扉を開けた。


「お帰りなさい、何かあった?」


「えっ、何もないよ。お風呂沸いてる?」


「沸いてるけどどうしたの?」


「いや、なんかさっぱりしたくてさ」


「そう、じゃあゆっくり入りなさい、その間にご飯作っておくから」


「ありがとう」


沙夜が、怪訝そうな顔でこちらをみていたが、そのまま風呂場に向かった。


僕はシャワーを浴びながら今日の嫌な記憶を忘れようとしていた。


嫌な記憶もあるが、真奈美さんには早く会いたい。


でも、管理人が母さんの父親だったとは。


管理人の不在は必ずばれる。


そうなったらどうなるのか…行方不明で捜査されるのか?それとも母さんに僕と真奈美さんは殺されるのか…

なら今ここにいるのは危険じゃないのか?


どうすればいいんだ。

もう後戻りは出来ない…このまま突き進むしかないんだ。


しばらくして、僕はお風呂場から出た。


「疲れは取れた?、洋服も汚れてたけど大丈夫」


「え、ああゆっくり出来たよ」


「そう、よかった」

母さんの笑顔が怖い。


食事に毒でも入っているかも、ダメだ怖くて食べれない。


「どうしたの?瑛人が好きな唐揚げよ」


「あ、うん。いただきます」


「今日のお兄ちゃん変だよ」


「そんなことないよ」


「そういえば、全部読んだの?」


「え?何を?」


「小説!!」


「あ、読んでないや」


「そんなことだろうと思った、早く読んでよ。感想聞きたいから」


「わかった、わかった。あとで読むよ」


「面白かったらお母さんも読もうかしら」


「つまんないよ、あれ」


「まだ読んでるのにそんなこと言うなよ」


「読む前にも言ったじゃん、つまんないって」


「そうだけど…」


「そういえば、明日管理人さんに家賃を払わないと」

僕はドキッとした。


「引き落としじゃないの?」


「まだ、手続きしてなくて手渡ししてるのよ」


「そ、そうなんだ」


「どうかした?」


「ううん、やっぱり母さんの唐揚げはおいしいな」


「やっぱり変なお兄ちゃん…」

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