話しは進まず
「なんだい?」
「俺はこのクラスの山崎だ、おめーか?北條をやったのは」
「はっ?なにいっ」
僕の言葉を言い終わるまでに拳が飛んできた。
僕はイスごと床に倒れ込む。
「いきなりなにすんだよ」
「おめーが北條と何か話してただろ」
「確かにはなしてたけど、お前には関係ないよ」
「どうやらシメないとだめみてーだな」
「やれやれ、僕転校してきたばっかだよ?騒ぎは起こしたくないんだけど」
「てめー生意気なんだよ」
拳がまた飛んできた。
僕はそれを受け流してボディに重い一発を入れる。
「ぐえっ」
山崎はその場で崩れ落ちた。
「僕は色々と忙しいんだ、邪魔しないでくれよ」
実は僕は東京では空手をやっていてそれなりの力を持っていた。もちろん父さんからは喧嘩には使うなよと言われたが、いきなりやられてはそうも行かない。
クラスのみんなはざわついていた。
どうやらこいつは番長だったのかな?
まぁいいや。
僕はイスに座りなおした。
授業が終わって歩いてたら、沙夜がかけよってきた。
「お兄ちゃん、そのほっぺどうしたの?」
「ああ、なんだかうちのクラスの番長?みたいなやつに殴られた」
「もちろんやっつけたでしょ?」
「うん、一発で終わった」
「さすがお兄ちゃん、じゃあこれから現場に行ける?」
「うん、何も問題ない。よし行こうか」
北條の遺体が見つかった川にはお巡りさんが立っていた。
「あれだと近づけないな」
「あそこで、死んでたんでしょ?お父さんと同じように首なしで」
僕は父さんの悲惨な状態を思い出して吐き気がした。
「夜になったらお巡りさんいなくなるかな?」
「えっ、また夜にいくつもり」
「だって真相が知りたいもの、なんとか証拠をみつけたい。お父さんの無念を晴らせるのは私たちだけだよ、お兄ちゃん」
「わかった、母さんの様子をみながらまた来よう」
とりあえず、僕らは家に帰った。
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