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引っ越した町は悪に満ちている  作者: まなた
瑛人編
115/178

悪夢は突然に

カバンに入れておいた資料は最後のページを抜き取っておいたものだ。


それを見られたら僕が誰が犯人かを把握していることになるからだ。


ただその最後のページを見てもこの殺人に関する共通点がまだわかっていない。


僕はついついスマホを開いて小説の続きを読んでしまう。


あ、やばい。読んでる場合じゃなかった。遅刻してしまう。


僕は思い出したかのように走って学校に向かう。


学校には遅刻したが、特に回りから何かを言われることはない。


そう僕はいないものとされている。


僕に関わると殺される、いつのまにかそんな噂が出回ったせいだ。


僕はそれを気にすることはなかった。別に友達なんかいらないし…


しかし、犯人はこのぼっちの僕を嘲笑っているのだろうか?

それとも、このいないことにしたクラスメイトたちに何か手を加えるのだろうか…


あ、ふと思い出したようにスマホを取り出す。

小説の続きを読むことにした。


教師も生徒も誰も注意してこない、ある意味自由である。


それにしても、この作品は全然話が前に進まない。


サイコパスが誰なのかもわからないし…


僕はこの作者がサイコパスをどのように描くのか…それを知りたかっただけなのだが。


もう最後のページまで飛ばそうかな…


あ、だめだ。沙夜に読み終えたら感想を言えと言われていた。


はぁ、僕はしぶしぶと小説を読み続けた。


すると主人公の友人がいきなり発狂して飛び降り自殺をした。


なんだこの展開、ひどいな。


読者をバカにしてんのか?


僕はスマホを閉じて寝ることにした。


すると、となりのクラスから悲鳴が聞こえた。


うちのクラスもざわつく。

またよからぬことが起きたにちがいない。

いいや、動かなくてもそのうち耳に入るだろう。


僕はこの後自分が大きな勘違いをしていたことに気づかされる


いつ、死亡が確認されたと勘違いしていたのか?


あの時車に潰されたところをちゃんと見ていたのか?


彼女の遺体をちゃんと確認したのか?


隣のクラスで起きていたことはまるで僕が今読んでいる、つまらない小説のような突然の事件が起きているところだった。


僕らのクラスの扉がガラリと開く。


悲鳴が一斉に鳴り響く。


うるさいな。どうせまた首切り殺人だろ。


「みぃ~つけた、瑛人君」


僕は聞き覚えのある声に思わず、体を起こした。


顔中に包帯だらけ、左手はギプスか。

しかし、両足はしっかりと立っている。

あの時と違うのは、右手に包丁を持ち、返り血を沢山浴びた…そう

相良 真奈美だった。




お読みいただいてありがとうございます。ブックマークや、評価いただけるとうれしいです。頑張ってラストに向けて書き続けます。

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