凶器と狂気
僕は電車に乗りながら、真奈美さんが犯人ということにまだ納得できなかった。
だが、彼女の人生はすごいことがかかれていた。
幼少期9歳の頃に両親が殺害されるも犯人は捕まらず。
その後、祖母に引き取られるも、翌年祖母が殺害される。
これは…やはり真奈美さんが殺人に加担している可能性が高い。
凶器と狂気さえあれば子供でも人は殺せる…か。
はぁ、僕も殺される可能性があったのか…
だとしたらそれを守るために母さんが殺した?
もう何が何だか…
サイコパスVSサイコパス?
僕は思わずB級映画のタイトルにもならなそうな妄想に一人笑ってしまった。
「ただいま」
「あら?予定より早かったじゃない、というより日帰りだったっけ?」
「友達が風邪ひいたってさ。泊まる予定だったけど、悪いから帰ってきた」
「どうだった、久しぶりの東京は?」
「いや、特に何もなかったよ」
「お土産」
「えっ?」
「お土産買ってくるって、お兄ちゃん」
「あ…」
ちっ、お得意の舌打ちをならして沙夜はスマホにもどった。
「カバンがパンパンね」
「ああ、友達がいらない本をくれたんだ」
「そう、そういえば東京の喫茶店で日中に自殺があったんだって、知ってる?」
「そ、そうなの」
「そうよ、何でも同席していた、若い男性は逃亡したって」
「へ、へぇ何だか怖いね」
「ほんとよねぇ」
「ちょっと疲れたな、部屋で一休みしてくるよ」
「落ち着いたらお風呂入っちゃいなさい」
まさか、もうニュースになってるとは。
いや、今日に起きたことならニュースになるか…
とりあえず、この資料はどこかに隠さないとだな。
僕は部屋で隠し場所を探した。
「よし、とりあえずここでいいか」
母さんは多分僕の行動を疑っている。
何としても共犯者をみつけないと。
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