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引っ越した町は悪に満ちている  作者: まなた
瑛人編
109/178

真奈美

くそ、何でこんなことに…

僕は漫画喫茶のトイレの窓から何とか抜け出せた。


これで重要参考人と満喫無断使用の容疑が追加されてしまった。


満喫申し込みの時に適当な氏名と住所を書いていてよかった。そこからは足がつかないだろう。


東京にいるのは危険だ…帰るしかないか。


僕は家に帰るために駅に向かった。


足取りは重かった。


フリーライターの資料は今後の事件解明に確実に役に立つ。


その一方でフリーライターが調べて導きだした答えが本当かどうか、確認しなくてはいけない。


できれば否定したい…


あのフリーライターが共犯と書いていた一人は…真奈美さんだ。


でも時系列がおかしくなる。

真奈美さんはあのフリーライターが死んだあとに殺されている…いや、あれは事故になるのか?

違う、真奈美さんのメッセージ。

事故じゃない。殺されたんだ。


そして、あのフリーライターはなぜ真奈美さんを知っているんだ、そしてなぜ彼女が犯人だというのだろう。


5年前に起きた初めての殺人事件の資料をみた。


たしか高齢のおばあさんだったな。

相良富貴子…こんな80代のおばあさんを殺すなんて…


相良…相良って。


「私の名前は相良真奈美です」


はじめて彼女に自己紹介をされたときのことを思い出した。


そんな馬鹿な、最初の被害者は真奈美さんのおばあさんってことなのか?


資料を最後のページにめくる。


「今日俺は相良真奈美と直接会う。この連続殺人犯の犯人と…」


な、なんだと。

彼が言う今日は僕たちが約束をしていた日だ。


真奈美さんは僕らより先にあって、フリーライターを殺したというのか…


でもまてよ、5年前って10~11歳くらいだよな。


「サイコパスに年齢は関係ない…だが流石に子供一人で死体の解体は難しい、この村に協力者がいるはずだ」


サイコパス…よく異常殺人者につけられる病名?だ。


真奈美さんはサイコパスだったと言うのか…

じゃあそれに加担していた人間も…


いや、じゃあなぜ真奈美さんから始まった殺人なのに、彼女は消されたのか。


真奈美さんも真犯人からしたらコマでしかなかったのか。


僕と一緒にいた真奈美さんはサイコパスなんて感じさせなかった。


でも、サイコパスは事件をおこさないだけで、世の中にいくらでもいるのだろう。


もしかしたら事件を追うのに手段を選んでない僕もそうかもしれないし。


とりあえず、帰ろう。


でも帰っても家には真奈美さんを消した人間がいるんだよ。


そうだろう、母さん。


僕は目の前に止まった電車に乗った。

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