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夢幻泡影のカレイド・マジック  作者: 匿名Xさん
第三章 ~燦たる英雄のアンビバレンス~
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3-19.『格の違い』

ここまで続けてきて何ですけど、最初の方は失敗したなって思う今日この頃です。特にストックとかバトル描写が少なかったりとか。特に後者!

一応新しいのをちょくちょく書いてて、そっちの方をメインで連載しようかなって考えてるんですけど、ここまで続けると途切れさせたくないんですよねぇ……


psタイトル変えました



「さあ、やって来ました予選第16試合! この戦いで本戦に出場することのできる最後の1人が決定します!」


 司会者の掛け声に、観客たちが空に向かって一斉に歓声を上げる。


 やっと巡ってきたわたしの試合。


 いやー長かった、本当に長かった……。


 まさかこれだけ時間がかかるとは思わなかったから、お昼はマジックバックの中にあった紅血林檎(ルージュ・マルス)を2個食べただけだ。


 紅血林檎はおいしいから何回食べても飽きないんだけど、さすがにお昼ご飯はしっかりしたものを食べたいと思うのは贅沢かな?


 まあ、さっさと試合を終わらせて、屋台で何か買って食べよう。


「試合のルールは簡単! 場外となるかこちらの係員が試合続行が困難と判断するまでリングの上で勝ち残ること! ただし、殺しも過度な暴力も厳禁! 純粋な心・技・体を競うのがこの大会の目的だ!」


 同じ説明はもう16回目なのに、人気の参加者の名前を叫んだり拍手をしたりと、観客たちのボルテージは依然として高いままだ。


 対照的に参加者たちは水を打ったような静けさを(まと)っていた。


 これから始まる試合をどう動くのか頭の中でシミュレーションしたり、最高のパフォーマンスを発揮できるよう心を落ち着かせたりと、その空気はどこかピリピリしている。


「それでは参加者の皆さん、各自試合開始場所について下さい!」


 試合は一辺100メートルくらいの正方形のリングに参加選手約40人が決められた位置に着くことで始まる。


 リングが少し大きいと感じるかもしれないけれど、出場する人たちは最低でも銀ランクの冒険者たちで、誰も彼もが元の世界だと異常な身体能力を持った超人たちだ。


 それに、中には魔法を主体にする参加者もいるので、これくらいの広さがなければそもそも戦いにならない。


 全員が所定の位置につくと剣や槍などの武器を鞘から抜き出して構える。


 中には魔剣だったり名工の作った業物もいくつか含まれていた。


 対するわたしは無手だ。


 一応旅の間に使っているローブを羽織ってはいるけれど、武装といった武装はしていない。


 そもそもする必要がない。


 だって、試合は()()()終わるんだから――


「それでは、第160回オルゲディア王国魔闘大会、16グループの予選を始めます」





◇◇◇






「魔法のことしか興味持たへんデュークの爺さんが試合観戦とは珍しいなぁ」


 観客席の1つに座る人物に、リュウが気さくに話しかける。


 黒いフードを目深に被り、片手には古木のような杖を携えた老人。


――魔法使いの頂点と呼ばれる『魔導士』の称号を持つオリハルコン級冒険者のデューク


 彼もこの大会に参加する1人であり、多種多様な魔法を駆使して予選を突破していた。


 デュークの隣にある座席にドカッと腰掛けるリュウ。


 2人の視線の先では今まさに大会第16試合が始まろうとしていた。


「お前さん、あの嬢ちゃんが誰か知っとるか?」

「何や何や? 爺さんもシオンの戦いが気になってんのか?」

「シオン……それが嬢ちゃんの名前か」

「せや、ついこの間、俺らと同じオリハルコン級に昇格した冒険者や」


 リュウの発言にデュークは眉根1つ動かさずに、リングに立つシオンを注視する。


 対してリュウの方も、これから始まる戦いを今か今かと興奮冷めやらない様子だった。


「あの嬢ちゃん、人族に見えるが実はエルフか何かなのか?」

「そこんとこはよう知らんけど、どうしたん?」

「……いや、何でもないわい」


 そして遂に、試合開始を知らせる銅鑼が鳴らされる。


 しかしそれは、同時に試合終了の合図でもあった。


 膝から崩れ落ちて震える者、武器を投げ捨てて場外へと逃げ惑う者、意識を失いその場に倒れ込む者……。


 リングの上には戦うことのできる者など誰もいなかった――ただ、1人を除いて。


「し、試合終了! 勝者、参加者番号574番、シオン選手!」


 審判が判定を下した瞬間、会場がどっと沸いた。


 何をしたのかハッキリと理解できた者は数えるほどしかいないだろう。


 それでも、リングの上に1人佇む少女が何かをしたのは、試合を観戦していた誰の目からしても明らかだった。


――自分以外の他の参加者を触れることなく、意識・戦意だけを一瞬にして刈り取る


 その結果は、少女が他の参加者と隔絶した実力者であることを表していた。


「クククッ……いやー、やってくれたわ! こら面白(おもろ)いことになりそうや!」

「そうじゃのう。儂も『魔導士』なんぞ呼ばれるようになったが、まだまだひよっこだと思い知らされたわい」


 片手で顔を覆いながら笑いを零すリュウと、口の端を僅かに綻ばせるデューク。


 2人はまるで子どもが騎士や魔法使いに憧れるようにその瞳を輝かせていた。


 オリハルコン級冒険者の実力は人類の中でも最上位に位置する。


 それはつまり、追われる立場にあると言うことだ。


 彼らがこの様な大会に出場する理由もそこにある。


――自分よりも強いヤツと戦いたい


 その願いは奇しくも大会始まって以来のダークホースの到来と伴に叶えられることとなった。


「挑戦者なぞいつ以来じゃのう? 魔導の神髄を目指す者として、年甲斐もなく滾るわい」

「おっとジジイ、アイツは俺の獲物(対戦相手)だぜ?」

「ホッホッホ、まだまだ若造に負けるほど儂も落ちぶれちゃおらんよ?」


 第16グループの予選突破者決定を以て、第160回オルゲディア王国魔闘大会の本戦出場者は全て揃った。


 その結果に対する他の予選突破者の反応は様々だった。


 ある者は彼女の勝利に疑いを抱き、ある者は苛立ちを覚え、そしてある者は喜びを覚える。


 愉しい宴は始まったばかりだ




よかったらブクマ、感想などなどよろしくお願いします

次こそはバトル描写を……っ!

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