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夢幻泡影のカレイド・マジック  作者: 匿名Xさん
第二章 ~嘆く少女のアウフヘーベン~
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2-26.『落ちた先には』

みなさんの尊敬する人って誰ですか? 親御さん? 有名人? 私はやっぱり毎日更新とか2、3日で更新してるなろう作者のみなさんですね。手前にはとてもできない芸当です。

今回は調子が良かったので更新しました。勿論、ストックは0です。これからは書き上がったら投稿にしていこうと思います。


PS.『評価』、『ブックマーク』して頂いている皆様に感謝を!


※シオン視点です



 と言うわけで、わたしは今、本日二度目の空の旅の真っ最中です!


 何が何だか分かりませんよね!


 じゃあ、ここで答え合わせ。


 まずは事の顛末から。







 ラッツ平原からの帰り道。わたしとシリウス、それに養護施設の冒険者組5人の前に謎の襲撃者が現れた。これが今回の事件の始まり、というか終わりの始まり?


 そこには数日前に冒険者ギルドでコテンパンにしてやったチンピラ(ジム)もいた。でも、チンピラと粒ぞろいの襲撃者のみなさんは、わたしとシリウス(ほとんどがシリウスのお陰)の前に惨敗!


 誰がこんなことを指示したのかを知るために襲撃者のみなさんに真摯に問い掛けると、わたしの誠意が伝わったのか感激のあまり1名が気絶。それを見た他のみなさんは饒舌に話し始めてくれた。


 結果、貴族の誰かが彼らに依頼をして、養護施設の冒険者5人を襲わせたことが発覚。


 名前も知らない貴族さんにお話しする用事が増えたわたしは、騎士団の詰所に行って襲撃者のみなさんを渡した後、彼らの中にいた闇ギルドの構成員の本部にお邪魔したました。気分は三代目の怪盗だね!


 お頭さんのお部屋まであっさり通して頂けたので、挨拶した後仕事の書類を入手することに成功。どちらの貴族さんが依頼をしてきたのかを確認するために、依頼を達成した場合に落ち合う酒場に直行。


 酒場に着くと目印である紺色のローブを着た貴族の召使いさん発見! ちょっと裏路地にご同行願って、羽織っていたローブを剥いでみたらあら不思議。そこにはどこかで見たような顔が!


 記憶の糸をたどってみると、彼はなんとリード商会の受付のお兄さんではありませんか!!


 ミステリー小説が嫌いなわたしでも、ここまで来ると気付いたよ。

 「あれ? 襲撃者のみなさんは依頼主は貴族って言ってたけど、ひょっとして違うくない?」「『犯人は絶対領主だろ!』とか思って証拠を集めていたけど、領主さんってひょっとするとシロかな?」って。


 それでも、闇ギルドでお頭さんからいただいた書類にはハッキリと領主代行の印鑑?的なのが押してある訳で、そこんところをお兄さんを脅は…誠心誠意、お話を聞いてみると、何でもリード商会は領主からのお抱え事業をいくつか請け負っていたみたい。


 その関係で領主に仕えている家臣の何人かと結託して偽の収支報告書を作成したり、事業の費用をこっそり懐に入れたりとやってくれちゃってたみたいだね。


 養護施設の国から支給されていた支援金も一部がここで抜き取られていたから財政面が苦しくなるはずだよ。


 名前も顔も知らない領主さん、疑ってゴメンね!


 そして真犯人はリード商会のアンガル支部支店長だった。


 誤解が解けた所で何故か滂沱の涙を流すお兄さんを騎士の人に預けて、リード商会の支部長の部屋にお邪魔した(デジャビュ)。


 そこで見つけたのはセトリル教会および養護施設を奪う計画書。あそこは王都に続く街道に面しているし、裏の森を開拓するとヴァレス大河にも近いから倉庫を作るのにもってこいの立地だったみたい。


 だけど、地域に根付いているセトリル教会の土地を無理矢理奪おうものならリード商会の名前に傷がつく。


 最初は支援金を減らすことで経営破綻を狙っていたみたいだけど、商店街の人たちの支援もあってなかなか上手くいかない。


 そこで考えたのが、テイムされた恐嚇狼(ダイヤウルフ)を森に放って野生化させ、事故に見せかけて施設の子ども、もしくは土地の権利者であるナターシャさんを亡き者にしようという計画だった。


 でも、わたしが恐嚇狼を倒したお陰で計画は失敗。


 しびれを切らした支店長(バカ)は大胆な犯行を企てる。


 それが冒険者活動をしている養護施設の子どもの襲撃とそれに平行して子どもの誘拐。


 クリスたちがいなくなれば教会の大きな収入源が一つ消えることになり、施設の経営はさらに悪化。子どもを誘拐することで施設に対して悪い噂、たぶん「あの養護施設のは子どもを虐待している」とか「人身売買をしている」とかあること無いこと言うつもりだったんだね。


 しかもそれだけじゃない。横領だけで満足しなかったバカは、最近になってヘンな所ともつながりを持ち始めたらしい。


 これがまた用意周到って言うか、書類をぱっと見た所だと取引の記録っぽいのはあるのにハッキリとした証拠がないという徹底ぶり。そこら辺の闇ギルドなんかよりもヤバいヤツみたいだ。


 チンピラ(ジム)が持っていた魔剣もここから買った物だったみたいだし、組織としてはかなり大きいんじゃないのかな。


 十分な証拠も手に入った所でそれらを騎士の人に手渡して、わたしは誘拐された養護施設の子どもが運ばれているリード商会の客船に向かった。








 で、冒頭に戻るわけ。


 それにしてもこの世界の技術力舐めてたわ。


 船って車とか電車に比べると速度って出ないとか何とか聞いたことがあるんだけど、あれは元の世界の常識だった。


 確かに一般の船は人力で漕いでたり、魔石を使ったエンジンみたいなのでゆっくり運航?巡航?してるんだけど、ここは魔物がいるファンタジー世界。


 人間の多い港とか岸辺の町とかは比較的魔物が少ないからいいんだけど、海に出たりすると状況が違う。


 海上をノロノロ進んでいたら亜海龍(シーサーペント)に始まり小型の水棲の魔物が襲って来るし、最悪上空を飛んでいる真竜(ドラゴン)が興味を引かれてやって来るなんてこともある。


 だから、海に出られるほどの船は攻撃用の魔法道具とかで武装してるし、速度もバカみたいに出る。さながら戦艦みたいだ。


 しかも、今回追っているのは王国一と言われるほどの商会が所有している客船だ。最新型の魔法道具とか色々積んでいるんだろうな~っと、やっと見えてきた。


 海の上でポツンと一つ、ほんと~に小さい明かりが見える。普通の人間なら絶対発見できないだろうけど、わたしは『探査(サーチ)』を使っているし、『身体強化(リーインフォース)』の魔法で視力を強化しているから話は別だ。レーダー搭載した飛行機みたいだね!


 それにしても『探査(サーチ)』が便利だ。目を瞑ってても周りが見えるし、効果範囲も結構広い。これからは戦技と掛けて魔技と呼ぶことにしよう。


 なんやかんやしているう内にリード商会の客船に追い付いた。しっかしこの客船、見た目は元の世界の映画とかでよく見る豪華客船にそっくりだね。乗った事なんて無いけど!


 違う所を挙げるとすると、船の側面に大砲の砲身みたいなのがあることと、速度がなかなか速いことくらいかな?


 全体の観察も終わったし、闇夜に紛れてデッキの誰もいない所に着地。


 船の構造を『探査(サーチ)』の魔技を使って取得! 


 ……あれ、できないっぽい?


 何かいろんな所からマナが干渉してきてごちゃごちゃしてる感じがする。これは積んでる魔法道具のマナのせい?


 不覚! 


 え? 待って待って! こんなに広い船の中から誘拐されたと思う養護施設の子どもを見つけるの?

 しかも、何人連れ去られているかもわかんないんですけど!


 いけない、熱くなりすぎだ。落ち着け~ハイ、深呼吸。


 取り敢えず、操縦室に行けば艦内図があるかな?


 そうと決まれば行動だ!


「おい! そこで何を「そぉい!」グハッ……」


 ヤバッ! 巡回してる警備の人を殴っちゃった!


 確かに後ろめたいことの隠れ蓑に使われている客船だけど、従業員全てが悪事に荷担してるわけでもない。


 ここは穏便、かつ隠密行動を心掛けよう。某有名ステルスゲームのヘビのおじさんを参考にして、いかに敵に見つからない様にするかに気を配るんだ!


「何か声が「てぇい!」ウグッ……」


 ……はい、二人目です。


 って! よくよく考えてみれば魔法で姿を消せるじゃんわたし!


 ふう、これで一安心。


 気絶してる二人は……運が無かったって事で。迷惑書けたお詫びにポケットに大銅貨一枚忍ばせて物陰に放置しといた。


 はぁ、誘拐された子どもを探す前に疲れたよ……。









 あれから操縦室に潜入して艦内図を確認。転生したお陰か複雑な地図も一発で暗記できた。


 ざっと見たところ怪しい場所はないんだけど、構造的におかしい空白があった。闇ギルドに潜入したときに、騎士団の潜入捜査のプロの人から聞いた話だと、大抵そう言った空白の場所だったり倉庫だったりを調べると何か出てくるらしい。


 でも、ここに来て一つだけ誤算があった。


 地図は記憶の中にある。


 見つからないように魔法を掛けた。


 だけど、一番大切なものを持っていない。


 ……ここはどこ? わたしはシオン。


 じゃなくて、この船広すぎでしょ!


 先が見えない廊下。


 ずらっと続く客室。


 ダンジョンか何かかな? 


 階段を降りたり上ったり、いくつか怪しいと目星を付けた場所はあるんだけど、一番近そうな場所にすら行けてないんだけど!


 ん? このマナはフェルアの? そして隣のはメアリちゃんのかな?


 よっしゃー! 結構近づいてきたから『探査(サーチ)』に引っかかってきたー!


 この感じは2、3階下かな? でも何かやけにマナが大きい気がするんだけど……ヤバくない?



 その直後、感じたのは強い衝撃と浮遊感。


 慌てていたわたしは『飛翔(フライ)』の魔法を使う暇もなく、下の階に真っ逆さまに落ちていった。









「痛っ!! 床が抜ける以前に爆発するってどういうこと!? 責任者出てこい!」


 積み重なった瓦礫をかき分ける。


 身体が頑丈にできていて良かったー。


 幸いにもわたし自身には怪我一つ無い。精々、着ていたローブが何カ所か破れた程度だ。


「咄嗟に障壁張ったからいいものを、わたしじゃなかったら死んでるね! フェルアとメアリちゃんを探すだけなのに、何でこんなに時間が掛かって……るんだ……ろ?」


 ホント、船に入ってからかれこれ1時間は歩き回ってるんじゃないのかな?


 いっそのこと魔法をぶっ放して目的まで地直通の大穴でも開けてやろうかと思ったけど、器物破損は極力控えたいし、万が一人にでも当たったらピチュらせること間違いなしだ。


 ……さっきから独り言が多くなってるな。


 隠密行動って、言い換えれば喋っちゃダメ、誰からも見つかっちゃダメ、一人で行動しなくちゃダメのボッチ3点セットが揃ってるんだもん。


 辛かったなー。小学校の頃、かくれんぼをしてたら誰にも見つけてもらえなくて、後になって聞いてみたら、そもそもかくれんぼにわたしが参加していること自体を認識してもらえていなかったあの時。


 うっ、思い出したら悲しくなってきた。


 ……うん? あ!


「あーっ! やっと見つけた!」


 ブルーになりながら埃で汚れたローブの裾を払っていると、晴れた視界の先にフェルアとメアリちゃんの姿を見つけた。


「さあ、帰ろっか」


 誘拐なんて目に遭ったからか、涙を浮かべるフェルアとメアリちゃん。


 わたしは努めて笑顔を作り、彼女たちに手を差し伸べた――





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