↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/161

拠点の意味

 「サラマンダー!思う存分・・・とまではいかねーが、適当に暴れろ!」

 町の中に潜入した焔は、サラマンダーに敵の陽動と攪乱を命じる。

 『任せとけ!さ~て、久々に暴れられるぜ!いくぜ!』

 サラマンダーは、魔兵士達に突進する。魔兵士達は、剣や槍で攻撃するが、サラマンダーの前には通じず、剣は折れ、槍は砕けてしまう。そして、魔兵士達は、そのまま体当たりで飛ばされたり、尻尾で薙ぎ払われてしまうのだった。

 「な・・・何だこの魔物は!?強すぎる!?」

 『おいおい!まさかこんなもんで終わりかよ?もっとやろうぜ!』

 サラマンダーは、今まで神殿にいたために溜まっていたストレスを発散するかの如く暴れ回る。焔の言ったように、火の攻撃は使わなかったが。

 「・・・Fランク程度の力の兵士じゃ、相手にならねーな。」

 「彼が暴れている内に、僕達は捕まった人達を探そう。早くしないと、魔将軍が出てくる。そうなれば、面倒だ。」

 「だな。」

 二人はその場をサラマンダーに任せ、町の中の探索を開始するのだった。


 「!何だ、お前・・・ぐわ!?」

 「て・・・敵だ・・・!ぐは!?」

 「え?誰・・・がは!?」

 出くわす魔兵士を焔は片っ端から切り捨てる。ブレイの存在で混乱している魔兵士達は、ロクな抵抗もできずに屍と化していく。

 「・・・魔将軍が見当たらなねーな。」

 「ブレイを警戒してるのかもしれないね。でも、いずれあれが陽動だってことはバレる。急ごう。」

 「だな。・・・ん?」

 すると、焔の視界に一人の魔兵士の姿が入る。その魔兵士は、混乱して右往左往している周囲の兵士達とは違い、明確に目的を持って移動しているように見えた。

 「・・・あの兵士を追いかけっぞ。」

 「え?何故?」

 「いいから来い。あいつが捕虜の居場所知ってっかもしれねー。」

 「あ・・・ちょっと!」

 焔は、魔兵士を追いかけていく。震も呆れながら、それに続くのだった。


 「おい!何があった!?外の連中は何を騒いでいる!?」

 突然やってきた魔兵士に、扉の前の守る魔兵士は戸惑いながら声をかける。

 「五大竜だ!五大竜が現れた!火竜ブレイだ!」

 「火竜!?まさか、勇者がこの拠点に攻めてきたのか!?」

 「トーン様が言うには、だ。だが、五大竜が現れたのなら、確実にそうだろう。」

 「まずいぞ!五大竜に勝てるわけない!」

 「ああ。だから、捕らえている人間達を盾にせよとトーン様の命令だ。全員を外に出せ。」

 「分かった。」

 魔兵士は、腰のベルトに付けていた鍵を扉の鍵穴に入れる。

 「なるほど・・・ここか。」

 「!何だ!お前・・・がはっ!」

 突然聞こえた聞き覚えのない声。だが、彼らが振り向いたその時、彼らは首と胴体が離れていた。

 「案内ご苦労さん。」

 そして、二人が倒れた後、その場には彼らが恐れていた人物の姿があった。

 「・・・ここだな。この部屋ん中にいるみてーだな。」

 焔は、魔兵士達が開けようとしていた扉を一瞥する。

 「鍵は開いているよ。早く入ろう。」

 扉を開け、焔は中に入る。そこには、鎖で繋がれた人間が数名、力なく座り込んでいた。

 「おい!助けに来たぞ!」

 突然の知らぬ人間の声に、彼らは顔を上げる。

 「!誰だ!?」

 「安心しろ、俺達は敵じゃねー!助けにきた!」

 「・・・助けに?」

 「僕達は、五大竜の契約者です。この町にいるヤミー軍を倒しにきました。そして、捕らえられているあなた方を助けにきました。」

 「!五大竜の!?本当か!?」

 「ああ。俺がブレイと契約している。今、空の上で飛んでるぜ。」

 焔は、町の上空を飛ぶブレイの姿を見せるように指示す。それを見て、人々の間でざわめきが広がる。

 「・・・炎のように赤い竜・・・伝説の火竜だ・・・!」

 「・・・本当に・・・私達は助かるのか・・・?」

 「ああ。・・・で、捕まった人間はあんたらだけか?他にはいないのか?」

 焔は、捕まっている人間の少なさに、他に同じような人間がいないか尋ねる。町の大きさは、数百人は住めるほどだった。なのに、ここにいる人間は十人にも満たない。他の場所に捕らえられていると考えるのは自然なことだった。

 だが、焔の予想に反し、人々は一転して辛そうな面持ちに変わる。そして、そのうちの一人である老人が、重い口を開く。

 「・・・わしらだけだ。・・・他の人間は襲撃の際に逃げたか・・・殺された。・・・わしらももう、数日の命だ。」

 「殺された?じゃあ、何であんたらは生きてんだ?」

 「語弊があったな。殺されたのは、逃げた先で追いつかれたか、逃げるのに失敗したからだ。奴ら、逃げなければさして危害は加えんだ。・・・最初のうちはな。」

 「・・・どういうことですか?」

 「・・・あいつらは定期的に、ヤミーへの生贄だってことで、捕まっていた人間を殺していたんだ。・・・本当なら、他の場所にも捕まってる奴らがいたたし、ここにだって二十人近くはいたってのに・・・!」

 捕らえられた男の一人は、悔しそうに呟く。

 「・・・なるほど。だから、あと数日の命だと。」

 「おいおい・・・じゃあ、ヤミーの奴は捕まえた人間を生贄にするためには集めてるっていうのか!?」

 「ああ。この町以外の町も、規模の差はあるが同じ扱いだろう。・・・小さな集落は、とっくに狩り尽くされてしまっているだろうが・・・。」

 「・・・ひでー話だな。だが、もう大丈夫だ。今逃げられるようにしてやる。」

 焔は、ブレイカー・オブ・ブレイで鎖を切り、彼らを自由にする。

 「おお!」

 「ありがとうございます!」

 「んなの後だ!すぐに逃げるぞ!」

 「!そこで何をしている!」

 「!【ストーンバレット】!」

 魔兵士の一人が、捕虜を捕らえている場所の扉が開き、見知らぬ人間がいるのに気付く。震は、魔法で兵士を倒す。

 「見つかった。急ごう!」

 「よし!お前ら、俺に付いて来い!」

 焔は、人々を連れて穴を開けた場所へ向かうのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。