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風太のジュエルアタック作戦

 「これで終わりだ!全ゴーレム、奴らを始末しろ!」

 風太達へと迫るジュエルゴーレム達。攻略の糸口すら見出せない風太は、この状況に絶望しかけていた。

 (・・・どうすればいい!?魔法が効かない、魔物の攻撃も効かない、おまけに物理耐性もある敵をどうやって倒せばいい!?)

 「・・・風太。宝石はどうやって装飾品にするか知ってるかい?」

 「!?」

 突然、ソウは風太に宝石のことを聞いてきた。あまりに場違いな話に、風太は困惑する。

 「今、そんなこと言ってる場合か!?」

 「いいから。宝石はどうやったら装飾品にできる聞いてるんだ。」

 「・・・削ったりカットしたりして、小さくするんだ。そうやって小さくして、指輪やネックレスに付けるんだ。」

 「その通り。原石をそのまま使うこともあるけど、身に着けるんなら加工する。道具や宝石自体(・・・・)を使ってね。」

 「!宝石自体・・・!」

 「そう。ダイヤを加工するにはダイヤだ。そして、ゴーレムの使う遠距離弾は身体から離れた瞬間ゴーレムじゃない。ただの(・・・)鉱石になる。ただの鉱石に、魔法耐性はない。」

 「・・・。」

 (・・・宝石は宝石で加工する・・・ゴーレムの遠距離攻撃に魔法耐性はない。・・・!そうか!)

 ソウの助言を受け、風太の中で戦うアイデアが浮かんでいく。

 「・・・【サモン・ガルーダ】!」

 風太は、ガルーダを召喚する。

 「今更Bランクの魔物など出して、何の意味がある?」

 『ガルーダ、渚とソウを乗せて上空に離脱してくれ。』

 『分かった。』

 「!風太!?」

 「渚は俺が合図したら、魔法を使ってくれ。それまで何もしないでくれ。」

 「・・・分かった。」

 渚とソウが背中に乗ると、ガルーダは上空へと退避する。

 「仲間を逃がしたつもりか?撃ち落とせ!」

 オロバスはゴーレム達に、ガルーダを撃ち落とすよう命じる。ゴーレム達は、巨大な宝石を飛ばす。それは、自身の素材となった宝石だった。

 「!それを待っていた!【エアロバースト】!」

 風太は、撃ち出された宝石弾に、【エアロバースト】を放つ。宝石は風太の魔法に全て撃ち落とされ、地面に落下する。

 「!?何!?」

 「撃ち出された宝石に耐性はない。ただの宝石だ。俺の魔法でも撃ち落とせる!」

 「・・・それがどうした。お前がゴーレムを破壊できない事実は変わらない。」

 「いいや、今からそいつらは全部ただの宝石に戻る。【エアロバースト】!」

 風太は、オロバス達に【エアロバースト】を放つ。

 「馬鹿め!エメラルドゴーレム!」

 エメラルドゴーレムは先頭に立つと、【エアロバースト】を受け止める。

 「お前は馬鹿か?そんなことをしても、ゴーレムは・・・。」

 ピキ

 「?何だ?」

 パリーン

 突然、エメラルドゴーレムの身体に穴が開き、エメラルドゴーレムは、その穴から全身に亀裂が生じ、そのまま崩れてしまった。

 「!」

 それと同時に、オロバスの顔面に、何かが高速で向かってくる。オロバスは寸でのところで回避するも、かすめた頬は傷付いていた。

 「・・・馬鹿な・・・!一体何を・・・!?」

 「渚!【アクアレーザー】だ!」

 「【アクアレーザー】!」

 困惑するオロバスを尻目に、風太は渚に【アクアレーザー】を使わせる。

 「【エアロバースト】!」

 さらに、風太は【エアロバースト】を使用し、【アクアレーザー】の推力と威力を増幅させる。

 「いくら風属性で威力を増そうと、水属性!サファイアゴーレム!」

 オロバスは、今度はサファイアゴーレムを先頭に立たせ、【アクアレーザー】を止めさせる。

 「どうやったかは知らんが、同じ手が二度通じると・・・!」

 パリーン

 だが、サファイアゴーレムも同様に穴が開き、崩れてしまう。そして、やはりオロバスに向かって何かが高速で飛んでくる。今度も回避に成功したオロバスだが、その表情から余裕は消え、困惑していた。

 (ど・・・どういうことだ!?いくら風で守られていたとしても、水属性の魔法でサファイアゴーレムが壊せるわけが・・・!)

 「行くぜ!」

 困惑するオロバスを尻目に、風太はゴーレム達に向かっていく。狙いはトパーズゴーレムである。

 「無駄だ!ジュエルゴーレムに属性の弱点は存在しない!風魔法でも破壊は・・・!」

 「くらえ!」

 すると、風太は何かを投げる。投げたものは、光輝くものだった。

 「!?何だ、あれは!?」

 「【エアロバースト】!」

 風太はそれに、【エアロバースト】を放つ。【エアロバースト】を受けたその物体は、物凄いスピードでトパーズゴーレムに向かっていき、ぶつかる。

 (・・・輝いた物体?・・・!まさか!)

 そして、物体がぶつかったトパーズゴーレムも、先の二体と同様に崩れていった。その時、ようやくオロバスは、何故ゴーレムが簡単に壊されたのか、そして、自身に今まで飛んできたものを知った。

 「・・・貴様!ゴーレム達の飛ばした宝石を使ったな!」

 「ああ。宝石って固いからな。俺の風を使って高速で射出してやった。」

 「・・・おのれ・・・ならば!」

 オロバスは、残りに二体のゴーレム、ルビーゴーレムとダイヤモンドゴーレムを直列で並ばせる。

 「これで一体は倒されても、もう一体は生き残る!その間に貴様に近付けばいい!」

 「・・・やってみろよ。」

 風太はオロバスを挑発する。とても癇に障るような表情で、まるで笑っているように見えた。

 「貴様ー!いけ!ゴーレム達!」

 オロバスはゴーレム達を前進させる。同時にオロバスも、魔剣を手に風太へ攻撃を仕掛ける。

 「渚!【レインアロー】だ!」

 「【レインアロー】!」

 渚はオロバス達に【レインアロー】を放つ。

 「馬鹿め!ダイアモンドゴーレムを忘れたか!」

 ダイヤモンドゴーレムは、【レインアロー】を防ぐ。

 「ははは!援護ならもっとマシな攻撃を・・・!」

 パリーン

 その時、ゴーレムの壊れる音が聞こえた。オロバスは驚愕した。ダイヤモンドゴーレムは、全くの無傷なのだから。

 「!しまった!ルビーが狙いか!」

 ダイヤモンドゴーレムに身を守らせたことで、ルビーゴーレムが無防備となり、その隙に風太は宝石を風で飛ばし、ルビーゴーレムを破壊したのだ。

 「ええい!だが、ダイヤモンドゴーレムのボディはダイヤモンドでできている!簡単に壊すことはできん!」

 「ああ。こいつはまだ(・・)壊さない。・・・【サモン・ファイアバード】!【サモン・フレアバード】!【サモン・フレイムバード】!【サモン・バーニングバード】!【サモン・ブレイジングバード】!」

 風太は、ファイアバード系列の魔物を全て召喚する。

 「・・・何をする気だ!?」

 突然、ファイアバード達を召喚され、困惑するオロバス。すると、風太は彼らに命じる。

 『全員、ブレス攻撃だ!』

 『火の鳥の息吹(ファイアバードブレス)!』

 ファイアバード達は、一斉にブレスを放つ。オロバスはダイヤモンドゴーレムに防御させようとするが、全方位からのブレスは防ぎ切れず、ダメージを受けてしまう。

 「ちぃ!ダイヤモンドゴーレム!俺を守れ!」

 すると、オロバスはダイヤモンドゴーレムに覆い被され、ブレスから身を守る。

 「これで炎は大丈夫だ・・・!」

 「ファニックス!お前も加われ!『ガルーダ!ガルーダテンペストだ!』!」

 『よかろう!ガルーダテンペスト!』

 『火の鳥の息吹(ファイアバードブレス)!』

 そこに、さらにガルーダの風とフェニックスのブレスも加わり、ダイヤモンドゴーレムはさらなる炎に晒される。だが、ダイヤモンドゴーレムは、その炎にもビクともしなかった。

 「無駄だ!いくら火力を上げようと、ダイヤモンドゴーレムは壊せん!」

 「壊す必要なんてない。お前らが動けなくなればそれでいい!」

 そう言うと、風太は宝石を投げる。それは、風太の手よりも大きなダイヤモンドの塊だった。

 「【エアロバースト】!」

 風太は、ダイヤモンドの塊に【エアロバースト】を放つ。もの凄いスピードでダイヤモンドはダイヤモンドゴーレムにぶつかる。

 「それ!次だ!」

 風太は手を緩めず、次々にダイヤモンドを風で飛ばしてぶつけていく。次第にダイヤモンドゴーレムの身体は傷付き、亀裂が生じていく。

 「!まさか・・・貴様・・・!」

 「・・・自分の大事な宝石を抱えて死にな。」

 風太は、最後にダイヤモンドを飛ばす。ダイヤモンドがぶつかったダイヤモンドゴーレムは、音を立てて崩れていく。

 それと同時に、守る者がいなくなったオロバスに、ガルーダの風により威力を増したブレスが襲う。オロバスはすぐに魔法障壁を展開して身を守るが、一分もしないうちに魔力が尽き、障壁が解除されたところを炎に焼き尽くされた。

 かつては天才ゴーレム製作者(クリエーター)として名を馳せ、魔将軍となってからも一流のゴーレムテイマーと称されたオロバスの、あまりに呆気ない最期であった。

ようやく風太がテイマーらしい戦いするようになってきました。今後も敵のテイマーが出てくることがありますので、乞うご期待。

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