火竜の神殿到着
ここから第3章開始です。
渚の口調を変更します。
「フィード、あそこの群れも吹き飛ばしてくれ!」
『了解!』
「エリアス、あそこにもいるよ!」
『見えています!』
フィードとエリアスは、目に入る魔物達を上空から次々に攻撃し、撃破していく。急襲を受けた魔物達は、蜘蛛の子を散らすように逃げていくが、当然、逃がすはずもなく、容赦のないブレス攻撃による追撃でどんどん倒されていく。
「・・・一方的だな。まるで、弱い者虐めしているみたいで気分が悪いぜ・・・。」
あまりに一方的な蹂躙に、焔は少々不快感を示した。いくら魔物とはいえ、ここまであっさりと倒していては、単なる虐殺と変わらないと焔は感じた。
「でも、下にいる魔物達は決して弱くはないはずだよ。あの魔物達は、Eランクだし、あの魔物なんてDのはずだよ。あれ一体倒すのに、この世界の軍隊を多数投入しないと駄目なんだから。」
「・・・やっぱ規格外だよな。五大竜ってよ。」
震から、倒されている魔物の脅威度を聞かされた焔は、改めて五大竜の力に戦慄した。
(こんだけ強いのに、ヤミーには勝てねーなんて・・・どれくらい強いんだ?ヤミーは?)
『・・・もうすぐグレタ火山に着くよ。そこのふもとに、神殿があるんだ。周辺を幻影と人払いの結界で見えないようにされているけど、僕には通用しない。』
「・・・幻影の影響なのか、確かに俺にはただの山にしか見えないな。皆は?」
「俺もだ。ただの火山だぜ。」
「私も。」
「僕もだ。建造物があるなんて、とても思えない。」
風太達には、フィードの言う場所には何もないように見えると口々に言う。
『・・・やはり、人間・・・いえ、住む者達はあれを見ることができないのですね。しかも、人払いの結界で、近付くこともない。・・・でも、魔物やヤミーの使徒なら・・・。』
「セキュリティは役に立たない、か。これは、急いだ方がいいね。もう、神殿に入られてるかもしれないよ。」
「よし!全速力で行ってくれ!」
『了解!』
フィードとエリアスは、さらにスピードを上げて、神殿の方へと向かうのだった。
「・・・これが・・・火竜ブレイの神殿・・・。」
ふもとに到着した風太達は、目の前にそびえ立つ巨大な石造りの神殿に驚愕していた。当然である。ここに到着するまで、こんな巨大な建造物は見受けられなかったのだから。
「さっきまで全然見えなかったのに・・・。ここまで来たらはっきりと見えるね。寧ろ、今まで見えてなかったのが不思議なくらい。」
「これも、結界の影響か。」
『・・・ここから先は、火山の中に入るみたいだね。』
「火山の中!?そんな所にブレイがいるのか!?」
『ブレイは溶岩の中で昼寝するのが趣味だからね。どんな灼熱の炎も、彼を焼くことはできないんだよ。』
「・・・どこかの怪獣王かよ・・・。」
「・・・ねえ、神殿の内部が火山に繋がっているなんて聞いてなかったから、僕達、ロクな装備もないんだけど・・・。こんな状況で火山に入って大丈夫なのかい?中の熱気や熱波で焼け死ぬか、脱水症状起こして死ぬかもしれない。」
震は、火山の中に入ることを想定していなかったため、満足な装備もなく来たことに不安を感じ、フィードとエリアスに尋ねる。
『そこは安心して。そのためのエリアスだよ。』
『私の力で、あなた達を守ります。直接溶岩に落ちさえしなければ、焼かれるようなことはありません。』
「なるほど。水竜の力で溶岩の熱を相殺するわけか。それなら、火山の中も通れそうだね。」
「じゃあ、エリアスは出しっ放しにした方がいいのかな?」
「それでいいんじゃないかい。火山の中にいる魔物も、五大竜に喧嘩を売るような馬鹿はいないと思うし。」
「エリアスはそれでいいとして、フィードはどうする?さすがに火山の中じゃ、フィードも自由に飛び回れないと思うぞ。」
『・・・できればカード化したくないんだけど・・・仕方ないか。今回は大人しくしているよ。』
「それじゃあ、一旦カードに戻ってくれ。」
風太に命じられ、フィードはサモンカードになった。風太はカードを腰に付けたポーチに入れる。
「よし、それじゃあ入るぞ。」
風太達は、神殿の入り口から中に入っていく。この先にいる、火竜ブレイに会うために。




