焔と震の異世界修行1
今回も、微エロがあります。
「・・・これが【ワルド語】・・・これが【グロバー語】・・・これが【ユニバス語】。・・・ああ!なんでこんなに言葉が多いんだよ!ゲームじゃ世界共通なのによ!【共通語】だけにしろよな!」
モーゼの部屋でこの世界の言語を勉強していた焔と震。だが、元々勉強が苦手な焔は、苦戦していた。
「ああ!もうやってられるか!」
「うるさいな。集中できないだろう。」
「お前・・・よくこんな細かいもの読む気になるな。俺には無理だぜ・・・。」
「安心しなよ。時間はたっぷりあるんだから。ここでどれだけ過ごそうと、外の時間は経たないし、歳も取らないんだから。」
震の方はというと、あっという間に言語を覚え、今は歴史の本を読んでいた。
「俺は、身体を動かすことが得意なんだよ!こんな文字読むのなんて無理だぜ・・・。」
「文句を言ってる暇があったら少しでも進めなよ。緑川風太だって、全部やったんだから。」
「・・・そうだよな。あいつもやったんだよな。」
そう言われると、焔も反論することができなかった。再び本との睨めっこに戻るのだった。
そんな焔を尻目に、震は歴史書に目を戻す。それぞれの言語で書かれた歴史書に目を通した震は、自分が感じた疑問を考察していた。
(・・・ソウがいなくなってからは、竜達が神として世界を安静化させて管理していたということだけど・・・。どうしてヤミーだけが増長して世界を支配しようなんて考えるようになったのかな?他の竜達だって、ヤミーと同じくらいの力を持っていたんだから、増長する竜が他にいてもおかしくないはず。何で、ヤミーだけが堕落したんだろう?何か、増長するきっかけがあったのかな?それに、何故ヤミーだけが突出して強くなったんだろう?先の戦いでは、ヤミー以外の五大竜全員がかかって勝ったというけど・・・。五大竜の、いや、六大竜の力は対等で、それ故に世界はバランスが取れて安定化したはずだ。・・・どうしてヤミーだけが、他の竜達よりも強くなったのか。何か、彼だけが強くなる何かがあったのかな?)
「・・・でも、知りようもないか。他の竜のエリアスとフィードも知らない様子だし、ソウだって、アナザーワールドに戻るまで、世界に何があったのかは知らないようだし・・・。どうにかして調べたいな。」
「?何だ?何か言ったか?」
「いや、何でもないよ。」
「・・・早く冒険に行きたいぜ・・・。」
この世界の謎に興味を持ち、さらに知りたいと思う震と、こんな勉強を早く終わらせて、冒険に行きたがる焔。二人の勉強の時間は、静かに過ぎていくのだった。
「渚、調子はどうだ?」
風太は渚のいる部屋に入ろうとする。
「・・・あ。」
その時、渚は着替えをするために、ミリィに服を脱がせてもらっている最中だった。
「・・・。」
風太と渚の顔が、火が付いたかのように真っ赤になる。そして、ミリィの強烈な顔面パンチがさく裂し、渚の悲鳴が響き渡る。
「わわわわわ悪かった!わざとじゃないんだ!」
「女の子の部屋に入る時くらい、ノックしなさいよ!」
「・・・悪い・・・まさか、着替え中だなんて思わなかったんだ・・・。」
顔面パンチをくらって退場した風太は、顔を擦りながら謝る。
「・・・ミリィ。私はいいから。風太を入れてあげて。どうせなら、着替えも手伝って・・・。」
「駄目に決まってるでしょ!男に着替えを手伝ってもらうなんて、いやらしいわよ!」
「・・・でも、昔は風太とお風呂に入ったこともあったし・・・。」
「子供の頃でしょう!もう子供じゃないんだから、そこは切り換えなさい!」
ミリィは渚をたしなめると、風太に向き直る。
「・・・本当、渚はすっかりあなたに対する見方が変わったわ。あんなこと言うなんて・・・。」
「・・・そう・・・だな・・・。」
「・・・あなたもね。最近、渚を見る目が変わってる気がするわ。」
「・・・そうか・・・?」
「そうよ。今まで渚を異性として見ていなかったんでしょう?で、最近は気になるようになってきた。」
「・・・。」
「いいじゃない。ようやく幼馴染から異性にランクアップしたんだから。喜んでいいわよ。」
「・・・喜んでいいのか、それは?」
「いいじゃない。あんな可愛い子に想われているんだから。」
「・・・まあ、確かにそうかもな。下手な女に付きまとわれるよりはいいか。」
「・・・ねえ、ミリィ。まだ話終わらないの?早く着替えたいんだけど・・・。やっぱり、風太に着替えを手伝って・・・。」
「だから駄目!」
「・・・俺・・・また後で来るな・・・。」
風太はすごすごと退散する。ミリィは、再び渚に注意するが、渚は不満そうであった。
明日からリアルが忙しくなるので、投稿の頻度が落ちると思います。ご了承ください。