表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/161

規格外の魔力

 「止めよ!」

 モーゼは、突然の事態に困惑し、風太を制そうとする。

 風太が、魔力を感知し、それを放出し始めたことまでは、モーゼは分かった。だが、次の瞬間に起こったことを、モーゼは理解できなかった。何の前触れもなく、巨大な竜巻が発生したのだ。

 (これは・・・何故、突然竜巻が!?・・・!まさか・・・!)

 原因が風太の放出した魔力であることに気付いたモーゼは、慌てて風太に、放出を止めるよう叫んだのだ。

 「止めよ!緑川風太!止めよ!」

 「・・・!」

 モーゼの声に、風太は意識を戻す。そして、目の前の光景に驚愕した。いつ現れたのか、目の前に巨大な竜巻が出現していたのだ。いや、正確には、巨大竜巻の中に、自身がいたのだ。

 「何だ!?何が起きた!?何で竜巻の中に!?」

 「魔力の放出を止めよ!このままでは、この空間内のものを全て吹き飛ばしてしまうぞ!」

 「!?」

 モーゼに言われ、慌てて風太は魔力の放出を止める。すると、徐々に竜巻は弱まり、しまいには消えてしまった。

 「・・・危なかった・・・。」

 「・・・そなたはどれだけの魔力を放出したのだ?あれは、下級魔法のレベルではないぞ!最低でも、上級レベルだ!」

 「・・・どれだけって・・・ほんの少しだけ、魔力の波から魔力を押し出しただけだ。」

 「・・・あれが、ほんの少しだと?私が下級魔法を使う魔力より、遥かに膨大な量を使っているぞ?」

 「でも、本当に、ほんの少しだぞ?」

 「・・・。」

 モーゼは今更ながら、風太の持つ潜在的な力に驚愕したが、同時に大いに期待するのだった。

 (よもや、これほどとは・・・。さすがは、緑川風子の兄だけはある。彼ならば、竜王を目覚めさせることも・・・。)

 「・・・魔力を放出するのは、私の許可なく行わないことだ。そなたの力は、私の想像を超えている。ほんの僅かな力でも、大事に至る。」

 「・・・分かった。」

 「・・・だが、そなたの成長は、私の想像を超えている。魔法を知らぬ身でありながら、もうここまで習得するとは・・・。これなら、【無属性魔法】を教えるのもそう時間はかからんな。」

 「無属性?」

 「属性魔法以外の魔法全般を差す。テイマー魔法もその一つだ。」

 「ミリィが使っていたやつか。・・・あれ?でも、渚も・・・。」

 「あれは例外だ。教える時に教えよう。」

 「・・・。」

 「では、そなたは魔力制御の訓練を続けるのだ。私は、ミリィと青野渚の様子を見に行くとしよう。」

 モーゼは、二人が修行している場所に向かっていく。

 残された風太は、再び意識の内に向け、魔力の同調訓練を行うのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ