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魔力制御訓練

 「魔力の制御?」

 「そなたの魔力は、青野渚とは違い安定しておらん。それを安定させねば、魔法が暴発するおそれがある。」

 「暴発・・・マジかよ・・・。」

 「それを防ぐためにも、内にある魔力を制御し、自在に引き出せるようにせねばならんのだ。」

 「・・・でも、魔力の制御なんて、どうやれば・・・?」

 「まず初めに、精神を集中し、体内の魔力を感じ取るのだ。」

 「無茶言うなよ。今まで魔法に触れたこともない俺に、そんな高度なことができるわけ・・・。」

 「その魔法が特別である、という考えが一番の妨げだ。魔法が当たり前であると思えるようになれば、魔力感知など呼吸と同じ様にできる。そう思えるようになるのだ。」

 「・・・。」

 モーゼの言葉に、風太は改めて納得した。自分はまだ、心のどこかで魔法をありえないものと考えていたことに。

 (そんなんじゃ使えるわけがない。俺自身が、魔法ができて当たり前だと思わないでどうする!)

 「・・・まずは、体内の魔力を感じ取ればいいんだな?」

 「そうだ。意識を身体の内に集中せよ。そうすれば、自ずと見えてくる。」

 「・・・。」

 風太は、モーゼに言われた通り、自分の体内に意識を向けようとする。しばらくして、何か流れるようなものを感じ始めた。

 (・・・これは・・・水?水の流れるような感じ?・・・これが、魔力か?)

 風太はさらに集中して、自身の内に意識を向ける。すると、その流れるものは、突然大きくなって、今にも風太の意識を呑み込もうとしてきた。

 「うお!?」

 思わず風太は、その場に倒れ込んだ。

 「・・・何だこれは・・・!?さっきまで、緩やかな河原みたいに感じてたのに・・・突然、大波に・・・!?」

 「・・・己の魔力を感じ取ることができたようだな。」

 「・・・あれが・・・やっぱり魔力か。・・・でも、魔力って、水みたいだな。」

 「そうだ。川を流れる水のように、体内に流れている。・・・しかし、先ほど気になることを言っておったが、大波とは?」

 「突然、川が氾濫して、俺に迫ってきたんだ。・・・いや、川の氾濫ってよりも、あれは、津波だな。あっという間に呑み込まれてしまったからな。」

 「津波か・・・それは凄まじいな。」

 (・・・想像以上の強さだ。これは、制御も難しそうだ。)

 「・・・でも、魔力の感触は掴んだ。あとは、この川の流れを自由にできればいいんだな。・・・よし!」

 風太は再度、意識を内に集中する。

 (・・・来たな!)

 すると、今度は最初から巨大な魔力の大波が迫ってきた。

 (・・・常識に囚われるな・・・できると思えば魔法なんて簡単なんだ。・・・だから、この波だって怖くない。こいつは、俺の力なんだ。現実と違って溺れるわけない・・・!)

 風太は落ち着いた様子で魔力の波に呑み込まれる。風太は、まったく動じることなく、流れに身を任せる。

 (・・・なるほど・・・こんな感覚か。・・・悪くないな。)

 そのまま、魔力の流れに流される風太の意識。流されていくほどに、風太は流れと自身の意識が同化していく感覚を覚えた。

 (いい感じだ。じゃあ、今度はこいつを動かしてみるか。・・・ちょっとだけ、押し出してみるか。)

 風太は、何気なく流れている魔力を外に押し出してみた。

 (・・・お、できた。少しだけど、外に出ていっている。・・・よし、こいつをどんどん外に押し出して・・・。)

 「・・・よ!」

 (・・・?何だ?誰かの声が・・・?)

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