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熊狩りとアイテムボックス

 「・・・とりあえず、このくらいでいいか。」

 「・・・十分だと思うよ。少なくとも、食料にするには足りるはずだ。」

 風太達は、倒した魔物の死骸の数を数えていた。

 目ぼしい拠点を全て制圧し、物資を確保したものの、やはり数が足りないということになり、風太達は食料確保のために魔物を狩ることにした。

 ウッド達から、食料にするには熊系の魔物がいいと言われ、風太達は早速熊狩りを行った。そして、一時間足らずで百頭以上の魔物を仕留めた。

 そんな風太達の姿に、ウッド達は再び唖然とする。熊系の魔物は、どんなにランクが低くてもFもあり、屈強な戦士が十人以上必要なのだ。しかも、風太達の倒したのはランクCのホワイトベアーで、少なくとも千人以上の戦力が必要とされる魔物である。一体だけでもそれほど恐ろしいのに、風太達はその群を狩ったのだ。グロバー大陸では、群れたホワイトベアーは【雪崩の化身】と呼ばれ、災害と同等の脅威として知られている。それを、まるでランク最底辺の魔物を狩るように倒していく風太達に、ウッド達はまたしても言葉を失うのだった。

 (・・・まあ、魔将軍を倒すほどの腕だ。できて当然だとは思うが・・・それでも信じられない。彼らはまだ、子供のはず。なのに、どうやってこれほどの強さを・・・?)

 「お三方、とりあえずこれで、食料は確保できますか?」

 「・・・!あ・・・はい!十分すぎます!」

 風太達の凄まじさに再び呆気に取られていたウッドは、震の言葉に正気に返る。

 「うむ。肉もそうだが、熊の毛皮はいい素材になる。避難民にいい服や寝床を提供することができるわい。感謝する、ラグンからの使者殿。」

 「ありがとうございます。アジトに戻ったら、できる限りをお礼します。」

 ストンとキャトは、これでアジトにいる人々が助かると礼をする。

 「お礼なんて・・・俺達は当然のことをしたまでです。」

 「だな。・・・さて、どうやってこいつらをアジトに持ってくか。」

 「こんなにいっぱい、メタリアルにも入らないと思うけど・・・?」

 「大丈夫。真白、あれを。」

 「はい。」

 ソウに促され、真白は革袋を差し出す。

 「・・・何だその袋?」

 「まさか、そいつにこの熊の死骸入れるなんて言うんじゃねーよな?」

 「そのまさかだよ。これは、ただの袋じゃない。大量のものを収納することができる魔法の革袋なんだよ。」

 「大量のものが入る革袋・・・どこのゲームだよ。」

 「その袋があれば、この熊の死骸を運べるんだな。」

 「そうだよ。このくらいの数なら、余裕で入るよ。試してみて。」

 ソウに促されるまま、風太は革袋の口を熊の死骸に近付ける。すると、死骸はまるで吸い込まれるかのように袋の中に入っていく。

 「!?」

 「どうなってんだ!?あんなデカい魔物の死骸が、まるで掃除機に吸い込まれたみたいに入っていったぞ!?」

 「この革袋、見た目はただの革袋だけど、収納魔法がかけられているから、この程度の大きさのものを入れるくらいわけないよ。しかも、口に近付けたら自動的に入れてくれる吸引機能付きなんだ。だから、自分で入れる手間もかからない。」

 「どんだけ入るんだ?」

 「一応、ワルド大陸クラスの広さに設定してあるよ。」

 「・・・マジかよ。」

 「そんな便利なものがあるなら、最初からそれに物資入れておけばよかったんじゃないのかい?」

 「・・・あ。」

 震に指摘され、ソウは今更それに気付いた様子でシュンとしてしまう。すると、そこに真白がフォローに入る。

 「ソウさんを責めないでください。それを作ったのは、私なんです。」

 「真白が?」

 「はい。ソウさんに言われて作ってみたんですが、初めて作るものだったので、うまくできたか自信がなかったんです。ですから、使わなかったんです。」

 「・・・まあ、そういうことにしておくよ。」

 震は、一応(・・)納得した様子で引き下がる。ソウは、すまなさそうに面持ちで、真白に頭を下げる。

 一方、そんな風太達のやり取りを見て、ウッド達はまた固まってしまう。

 (・・・確かに、収納魔法のかけられた収納アイテムはある。アイテムボックスやストレージと言われたものだ。・・・だが、収納量が多くなるに従ってアイテム自体も大型化していくはず!なのに、あの小ささで大陸並の収納量!?あり得ない!そもそも、現在確認されている最大収納量は、我々エルフの国の王都程度の広さのはず!あれはまるで、神話のアイテムだ!)

 「・・・皆さん・・・本当に一体何者なんですか?・・・ラグン王国からの単なる使者ではないでしょう?」

 「ええと・・・詳しくは、あなた方の王様と直接話してからの方がいいと思います。」

 「・・・分かりました。助けていただいた上、ヤミー軍の拠点壊滅から食料調達まで手伝っていただいたのです。これ以上詮索はしません。」

 「ありがとうございます。」

 「じゃあ、さっさと詰めてアジトに行こうぜ。」

 「アジトの場所の案内、お願いします。」

 「分かりました。案内します。」

 風太達は、残りの死骸を収納すると、ウッド達に導かれ、解放軍のアジトに案内されるのだった。

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