表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/161

異世界に行った少年

 「・・・そんなことが・・・?」

 「信じられません・・・異世界だとか、邪神なんて。」

 風太からの話を聞き、真白と母は困惑する。とてもではないが、本当のこととは思えなかった。

 「嘘のように思えますが、これは本当のことなんです。・・・簡単な証拠をお見せします。【サモン・ヘッドバード】!【サモン・ファイアバード】!」

 風太は、母娘の目の前で、ヘッドバードとファイアバードを召喚する。母娘の目の前に、二羽の鳥が出現する。

 「!?これは・・・!?」

 「鳥が・・・突然目の前に・・・!?しかも・・・何なんですか、この鳥!?」

 「これが、俺が異世界に行って習得したテイマー魔法です。魔物と契約し、使役できます。・・・お望みなら、もっと凄い魔物を召喚してみせます。・・・家の保証はできませんが。」

 「わ・・・分かりました!信じます!あなたは、本当に異世界に行ったのだと!」

 このようなものを見せられれば、信じざるえない。風太は間違いなく、この世界とは違う世界のことを知っているのだと。

 「・・・つまり、あなたは、仲間と一緒に攫われた妹を助けるため、ヤミーという邪神と戦っているのですね。」

 「はい。・・・でも、その過程で、俺達は攫われたのが妹だけではないことを知りました。その一人が・・・。」

 「・・・光・・・なんですね。」

 「はい。・・・そして、この間、俺達は、あなたの妹さんと会いました。」

 「!光に!?光は、光は無事なんですか!?」

 妹と会ったと聞いた真白は、最初に会った時のように風太に詰め寄ろうとする。風太も今度は想定していたのか、落ち着いて対応する。

 「・・・無事です。・・・ですが、ヤミーに操られています・・・。」

 「・・・そんな・・・!」

 あまりに残酷な答えに、真白はガックリと肩を落とす。

 「安心してください。妹さんは俺達が助けます。」

 「でも・・・聞いた話の通りなら、相手は世界を滅ぼせるほどの怪物なのでしょう?あなた達でどうにかなるのですか?」

 「手はあります。でも、その前に、出会えた彼女の家族に話をしておこうと思い、俺は来ました。」

 そう言うと、風太は魔物達をカードに戻すと立ち上がる。

 「突然来て失礼しました。俺は、これからアナザーワールドに戻ります。」

 「・・・もう行くんですか?」

 「はい。仲間には、秘密で来ていますから。それでは・・・。」

 「待ってください!」

 立ち去ろうとする風太に、真白はそれを制する。

 「・・・私も連れて行ってください。」

 「真白!?」

 「光がその世界にいるなら、私も連れて行ってください!」

 「何を言っているの!?この人の言う通りなら、危険なのよ!」

 「でも・・・!」

 「・・・連れて行って、あなたはどうするつもりですか?」

 「それは・・・。」

 「彼女に会うということは、必然的にヤミーの手下と戦うことになる。あいつらは凶暴で残虐です。最悪、命を落とすかもしれない。事実、俺達は何度も死にかけました。操られたあなたの妹と戦った時もそうです。俺達は、風子達を助けるか、死ぬかの二択しかない道にいるんです。その覚悟が、あなたにありますか?」

 「・・・。」

 「・・・はっきり言います。覚悟がないのなら、付いてくるなんて軽々しく言わないでください。・・・それでは。」

 風太は深々と礼をすると、部屋を立ち去る。真白は、そんな風太を見ていることしかできなかった。

今日は、二話投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ