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第15章:まさかの大ピンチ!?

ここ二週間ほどテスト関係で更新してる余裕がありませんでした。

すいません……。

「あら、そこにいるのは桐生さん?」


「はい?」


校門まで来て誰かに呼ばれた。誰だ?俺を呼ぶ人なんてあの二人しかいないはずだ。しかも二人とも何処か遊びに行ってるからいないはずだし……。そう思って振り返って見るとそこにはいないと思っていた筈の人がいた。


「こんにちは桐生さん。」


「こ、こんにちは……。」


そこにはあのドリルじゃないツインテールの神木エレナがいた。しかしあの髪を見るたびにドリルドリルって……。俺どんだけドリルが気になってんだよ……。


「桐生さんもここの生徒だったのね。」


「はい。 神木さんもここの生徒だったんですね。」


「えぇ。 私も一年よ。」


「神木さんもですか? あれ? 『も』ってなんで私が一年ってわかったんですか?」


俺は分からなかったのに……。これもやっぱりお嬢様特有の能力ってやつか?


「そんなの貴女の服を見たら分かるわよ。」


俺の服……。あぁ、この最悪の制服か……。ヒラヒラの短いスカートがもう嫌で嫌でたまらない。いっそ破いてしまえと思ったこともあるが、それをすると周りから変態扱いされるから流石にしてない。………女装してるだけで十分変態だな。あぁ、どうか誰にもバレずに高校が終わりますように……。


「………なに貴女は胸の前で手を組んで目を瞑りながら空を見上げてるの? 何かの祈り……?」


はっ!?思っていたことをいつの間にか体が実行していた!いくら辛いからと言ってもこんなところをまだ会うのが二回目の神木さんに見られたら変に思われるじゃないか!大丈夫。まだこれが一回目だ。挽回のチャンスはいくらでもある。今は落ち着くんだ俺!


「まぁ貴女が変なのは今更ね。 それより今帰り?」


………既に手遅れ、なのか。なんで会うのが二回目の相手に俺は変なのが普通みたいな反応をされなきゃいけないんだ……。俺神木さんに変なとこ見せたのこれが初めてだよな……?というか絶対そうなはずだ!だって見に覚えが無いし!


「ねぇ、聞いてる?」


「え? あ、はい、聞いてます聞いてます。」


「じゃああたしの質問に答えてくれるわよね?」


「はい。 今は帰りです。」


何でこんなこと聞くんだ?もし一緒に帰るとしてもこの人って車じゃないのか……?


「そ、なら一緒に帰りましょう。」


「え、あ、あの。」


「なに?」


「神木さんって車じゃ無いんですか?」


「車よ。」


やっぱり車じゃないか。ならどうやって一緒に帰るんだよ。………まさか一緒に車に乗れとかは言わないよな?まぁ会うのが二回目の相手をいきなり車に乗せたりはしないよな。この人も金持ちだし。


「一緒に車に乗って帰るのよ。」


「そ、それは……。」


「何か問題でもあるの? 既に一回乗ってるんだから今更遠慮なんかいらないわよ。 それとも貴女車なの?」


「い、いえ、歩きですけど……。」


そう言えば会って早々車に乗せて貰ったな。なら今更俺を乗せるのに戸惑う必要は無い、と。でも少しは警戒しようよ……。俺男なんだから……。………あ、今は女か。そっか、女だから余計に遠慮なんか無くなる訳だ……。なんか自分は今女装をしてると言うことを再認識させられてしまった……。あぁ、もうどうでもいいか……。


「ちょ、ちょっと! なんで落ち込んでるのよ。 あ、あたし何か気にさわること言った……?」


「いえ、神木さんは関係ありませんから。 それより車で一緒に帰るのでしたらよろしいですよ。」


「そ、そう? なら早速車のところに移動するわよ。」


俺を少し変な目で見たあと、直ぐに移動を始めた。あぁ、こういう所を何回も見せてるから変な人扱いされるんだな……。そんなことを考えながら神木さんに付いていった。







「着いたわ。 さっ、車に乗って。」


そして着いた所には前にも乗った車があった。この車俺には高級すぎて乗るのが戸惑われるが、さっさと乗らないと神木さんに不振な目で見られた上に機嫌を悪くさせてしまうからさっさと乗ることにした。


「まずは桐生の家から行くわね。 場所は?」


「え? 私の家に行くんですか?」


あの家にここの学校の生徒を近づけたく無いんだけどな……。


「当然でしょ。 あたしの家の車なんだから、先にあたしの家に行ったら貴女どうするのよ。」


「それは……。」


あのくそ長いバスに乗って帰るしか無いだろうな。家に近づかれるぐらいなら長くても良いからバスで帰るし。


「バスで帰るなんて貴女があたしの車に乗る意味無いじゃない。 寧ろ損してるわ。」


「そ、そうですけど……。 あ、あまり家に近づけたく無いと言いますか……。」


「別に貴女の家がどんなんでも笑ったりはしないわよ。 だから早く場所を教えなさい。」


そんなことは気にしてねぇ!笑われて済むなら送って貰うよ!でももし男だとバレたら……。

そりゃ家の前まで送って貰うだけでバレるなんてあるわけ無いんだけどさ、人生何があるか分からないからな……。そしてこういう時は大体はバレるのがお約束だからなぁ……。でもこんな理由は言えないし……。なんて言えば家に送って貰うのを阻止できるかなぁ……?………そうだ、これならいけるんじゃないか?


「あの、送って貰うのは家の近くまでってことにしませんか?」


「なんでよ?」


「やっぱり家を見られるのは恥ずかしいですし、神木さんに迷惑はかけたくないですから。」


「別にあたしは両方とも気にしないわよ。」


「神木さんがそうであっても、私は気になってしまうので……。 ど、どうですか?」


これならいけるだろ。家の近くって言ったらやっぱりいつもあの二人と別れる場所が良いだろう。あそこなら流石にバレることは無いだろう。俺自信も少し意識し過ぎてる気はするけど、万が一って事はあるからな。もしバレたら俺は生きてるか分からないからなぁ……。女って生き物はかなり怖い生き物だから。


「………分かったわ。 今回はそれで手を打ちましょう。」


今回は?ってことはまた次があるのか?ならこれからは帰るときは気をつけないとな。もし捕まって、家まで送られるような状況になってバレたらおしまいだからな。


「ありがとうございます。 では校門を出て三つ目の曲がり角までお願いします。」


「そこまででいいの?」


「はい。 私の家はそこから近いので。」


「分かったわ。 じゃあそこまでお願い。」


「かしこまりました。」


場所を聞いたら、神木さんが運転手に頼んで早速動かして貰った。まぁ今回は色々とあったが、少し帰るのが楽になったと考えるか。









「お嬢様、着きました。」


「もう? 早いわね〜。」


「まぁすぐ近くですから。」


歩いてもそんなに時間の掛からない場所たがら、車じゃ本当にすぐだった。


「本当にここまででいいの?」


「はい、この前のこともありますし、これ以上は迷惑掛けたくないので……。」


それ以外にも理由はあるし。とにかく神木さんにはここで帰ってもらわないとな。


「そんなの気にしなくて良いのに……。」


「そう言って下さるだけで嬉しいです。 それでも気にしてしまうので……。」


「………分かったわ。」


よし!神木さん諦めてくれたか。これでバレる心配は無くなったな。


「では私は降りますね。」


「えぇ。」


「では神木さん、さようなら。」


神木さんの返事は無かったけど、気にせず降りた。俺が降りたら直ぐに車は何処かに走っていった。何処かって言っても家だろうけど。


「さぁ〜て、帰るとするか。」


「えぇ、そうね。」


「………。」


ちょっと待て。今聞こえないはずの声がしなかったか?あれはまるで神木さんの……。いやいやいやそんなはずはない!だって車はさっき行ったし。なら幻聴か……?それはそれで嫌だけど……。


「ねぇ、なんでそんな所で立ったままなの。 早く行きましょうよ。」


「………神木さん。」


「なに?」


「………なんで貴女がここにいるんですか?」


あれは空耳でも幻聴でもなく、本物の神木さんの声だった。


「車から降りたからよ。」


「何で車から降りてるんですか?」


「そんなの、貴女の家に行くからに決まってるじゃない。」


「…………………え?」


今、なんて言った……?俺の家に…来る…だと……?


「なにボーッとしてるのよ。 早く案内しなさい。」


「ち、ちょ、ちょっと待ってください! 何で私の家に行くんですか!?」


これはまさかの大ピンチか!?こんなことになるなんて全然予想してなかったぞ!


「そんなの、あたしが貴女の家に行きたいからよ。 何か問題でもある?」


大有りだ!って叫びたいのをグッと我慢した。


「い、いえ、それは……。」


「ならいいじゃない。 さっさと行くわよ。」


そう言って神木さんは俺を促した。これはもう覚悟を決めた方が良いみたいだな。


「………はい。」



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