『ダイヨンノサツジン』
ボクにだってルールはある。まず「食べる」獲物は女というのが最優先。男に「食欲」を感じることもあるけれど、やっぱり牡よりも牝の方が美味だということだ。これは肉食獣ならば知っている当たり前の事らしい。山で熊に襲われたときも、立ち向かって敗れる男よりも、守られきれずに殺された女の方がより胃袋に詰め込まれるというし。熊の味覚に関して全面的に賛成するね。第二のルールはガッコの敷地内ではネコを被って、暴力行為は一切しないこと。そうでないと犯人がボクだということが警察にばれて食事を続けることができなくなるし、なによりあの人に迷惑がかかるからだ。以上の理由から今日の獲物は別のガッコに通う女子高生にしてみた。やはり最初の中学生と違って、夜道を警戒して歩いていたが、まあボクの姿に気が緩んだのか、最初の一撃まで無防備だった。まだアスファルトを色々な物で汚しながら這って逃げているが、これから美味しくなるところだろう。おっと、忘れていた。学校に来た警察が「映像が」とか騒いでいたので、今日は動画を撮ろうと思っていたんだ。このスマホという奴はなかなか便利だが片手が塞がってしまうので、バットを振るいながら撮るのが非常に難しい。うん、温和しくなってきた。つまり新鮮味が落ちて不味くなったということだな。いったん録画を停止して、這うこともせずに丸太のように転がる女を見おろす。そうだボクの名前をキミに教えてあげるよ。ボクは血液や脳漿、体液なんかで頭皮に張り付いた女の髪を掻き分けて、もしあるならあの世でボクを告発できるように、堂々と名乗ってやった。おやおや、そんなにボクの名前が気に入ってくれたかい。のたうちながらボクの名前を呪文のように唱えている女へとどめだ。おっとっと。忘れていた最後に別のことを囁いてやらなきゃ。そうだな…
She looks back toward me in a Dream.
She looks back toward me in a Dream.
She looks back toward me in a Dream.
It’s true that
I said three time
ちゃんと撮れているか楽しみだ。