第2章 2部 第七危険生物
場所はルリール砂漠入り口。
既に、他の隊は索敵、あるいは戦闘を始めているころだ。
「じゃ、俺たちも索敵始めるか!」
そう仲間に言いアルンは砂漠に足を踏み入れる。 部下もそれに続き続々と足を踏み入れる。
索敵と言っても砂漠だから少し歩くとターゲットはすぐに見つかるだろう。
と、心で呟く。
足を踏み入れて15分ぐらいだろうか。 砂漠がやけに静かなのだ。
(戦闘はまだなのか? 砂漠だからてっきり見つけていたかと思ったが...)
マールも同じことを思っていたらしく
「隊長。 やけに静か過ぎませんか?」
「ああ。 静か過ぎる。」
(くそっ! なんなんだ? どうなってる。)
すぐに考えを巡らせる。 そして、
「みんな、ちょっと索敵魔法を使う。」
そう言って、索敵魔法を使用する。 ちなみに、第1精鋭部隊はみんな呪文を唱えなくても魔法が使えるスキルを習得している。
「.....!?」
マガルが表情の変化に気づいたらしく
「んん?」
と、首を傾げる。
「おい! みんなここから離れろ!!」
そう命令する。 各自が後ろに後退した瞬間に、地面が揺れる。 すると、俺たちがさっきまでいた場所に第七危険生物がいた。
みんな 動揺を隠しきれない。
「隊長、これはどうなっているのですか?」
「アリサ、詳しくは話す暇がないが、簡単に言うと、俺たちの地面の下にいた...」
「戦闘開始だ!!」
アルンの声をきっかけにそれぞれが戦闘を始める。 配置的には 俺とマガルが前衛。 ダイアンが遊撃。 マールとアリサは後ろから支援となっている。
第七危険生物は通称 『魂を狩るもの』と呼ばれている。 由来は 相手の身体に自分の 何かを食い込ませると、そこから、血を吸い取っていく、ということからついた名だ。 要するに触れたらおしまいだ。勿論、間接的には問題はない。
攻撃手段は、蜘蛛の様な体で、素早い動きで相手を翻弄。 そして、足やら 両鎌で、ザックリだ。
「やっぱり、早いな....」
既に、残像が見える。
後ろから、鎌が風を切る音がした。
俺は反射的に、両剣でガードする。 凄く重い。
生身だと吹っ飛ばされていただろう。
「魔力を使って正解だったな...」
「大丈夫ですか〜! 隊長。」
マガルが声をかける。
が、その言葉には返事をせず、
「マガル、後ろ!」
ーーーッ
マールの火属性魔法で鎌の軌道がそれ、マガルの頭をかする。
「ひぃぃっ!」
間抜けな声だ、と思いつつも目が蜘蛛野郎の速さに慣れてきた。
(こっからは形勢逆転といこうか)
やはり、後から鎌が来る。
俺はそれを、魔力で強化した腕で上に弾き、制御が効かなくなった鎌の付け根に両剣の後ろで そこを 突き刺す。 剣は、肉を貫き、赤い血が噴き出す。
さらに追撃する
突き刺した剣を上に切り上げ、鎌が皮でなんとか繋がっている状態にする。
そこに、
「おりゃああ!!」
マガルが、上から、両手剣を振り下ろす。
蜘蛛の鎌が、完全に、切れ、ボロリと落ちる。
傷からは、血が止まらない勢いで、噴き出し中だ。
ーーッ!
さらに、アリサの雷魔法が、蜘蛛の体を貫いていく。
蜘蛛が悲鳴を上げ、アリサにもう片方の鎌をふりかざす。
しかし、間一髪で、ダイアンが大盾で防ぐ。
いい、チームワークだ。
「さて、 今日でお前とも終わりだな。」
蜘蛛にそう告げ、両剣を構える。
隣でマガルも剣を構える。
一瞬の隙を突いて、蜘蛛の足に、水平切りをし、回転。 反動を使って、別の足に、水平切り、3回転目に、蜘蛛の顔面に水平切りをかます。
マガルは反対の足に、縦斬り、その後切り返し、そして、横斬りの連携をする。
最後の、調理は、マールとアリサの魔法の雨。
こうして、苦戦を勝ち抜いた俺たちは、蜘蛛の近くで、雑談や武勇伝を語りあっていた。
本当に、面白いかな? この小説...