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出逢い(3)
そう言うと、女鬼は綱に背を向け歩き出した。
「え…ちょ、待ちなさい!」
綱は慌ててその背に声を掛けた。
「止めも差さずにどこに行くつもりですか!?まさか山を下りて都を襲うつもりじゃないでしょうね!?」
女鬼は気怠げに振り返ると、
「なんで私がそんなことしなきゃいけないのよ、めんどくさい。そもそも止めも何も私はいきなり襲われたから身を守っただけ。貴女に敵対した覚えはないんだけど?」
「なっ…!私は『妖狩り』、そして貴女は『鬼』!殺し合うのが常でしょう!?」
「そんなの貴女達人間が勝手に決めたことでしょうに…はぁ。それじゃ私は家に帰るから。じゃあね。」
そしてそのまま振り返ることなく女鬼は綱の前から姿を消したのだった。
その場に残された綱は、
「人間が勝手に決めたこと…それは…」
そう独り言を呟いた。