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ラタトスクの駆ける空  作者: 隈野 問
月の王国
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プロローグ マーニ歴1524節 表火の候 14の月

文脈的に変な所での節は年、候は月、月は日、と置き換えて読めばスムーズに理解できます…え?最初からそう書けと?

世界設定的なアレですお願いします。



以前、学園で読んだ本のことを思い出した。

その本は魔人が売り込みに来たもので、だいたい200年ぐらい前に持ち込まれたものだそうだ。


その本によれば、異国の地の神は6の月でその地のありとあらゆるものを作り、そして7の月に体を休めたという。

その魔人に聞いたところでは、今でもその地では神に倣い6の月分働いて7の月に休むそうだ。


それはこの月の王国でも同じこと。

6の月分働き、7の月には休む。

人と言うものはどこでも同じようになるようにできているのかもしれない。

それが例え、僕らと全くの異なる世界とやらであっても、だ。


そんなことを思い出したのは今月きょう、この月がそのすべての人が待ち望む休みの月であり、その中でもとりわけ待ち望まれる新満月の祝祭だからなのだろう。


常に闇の中にあるこの国を照らし、人々に魔力を与える"月"が新たな節を迎えて一番最初に満月になる月。


そんな祝祭は、王族・貴族・市民・農民の分け隔てなく騒ぐことのできる唯一の()

それはこの「月の王国」のぐるりときれいな円になった領土の、円の中周部に当たる町、市民と貴族が混在した学園を有す町「ヴェルザンディ」でも同じこと。

今頃街の中ではらんちき騒ぎになっているのだろう。


こんな時に屋敷から出るのはばかげているのかもしれない

それでも満月の月にしかできないことがあるのだから仕方がない。

父上が聞いたら…想像に難くない顔をするだろう。


そろそろ月記にっきをしまって行かないと。

乗り合いの魔導駆動車くるまはきっかり…とは言えない運行をしているのだから時間に余裕を持って行動しなくては。

王都にある魔輪駆転車(チャリンコ)を持ってくればよかった。

この町なら学園に通う生徒たちが乗り回しているからそう苦い顔はされないだろう。

もっとも、父上の許可は確実に出ないだろうし、乗っているところを見たらあの目でねめつけてくるんだろうけれど。


ノルニルの湖は今頃満月の光を浴びて綺麗だろう。

それならお目当ての物もきっととれる。

支度も済んだ、出かける前の月記も書き終えた。

さ、行こう。


今のも、月が僕らを照らしてくれますように。

月記(日記)

何故日記を出かける前に書いているのか…

…この国では日記を二回書く風習があるんです!多分。

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