表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Chooser Of Life Span 〈COLS〉  作者: 初菜
1
7/12

6

幸福な、ずっと幸福で過ごすと思っていた主人公はあるはずみで人を殺してしまう。


そこからこの主人公は幸福なんて言葉から縁の無い世界に落ちて行った。

生まれ変わりもひたすら酷いものだった。

酷い生まれ変わりで罪を犯すようになる。さらに酷い世界へ生まれ変わる。

その繰り返しを見せつけられた。


あまりに酷い光景にビールを手から落とす。


「これが半永久のルール」

俺の前に回りこみスクリーンを振り返りながらつぶやく。

無言でつばを飲み込み、ミカンを見つめる。


「永久に幸せを保証しちゃったらやりたい放題でしょ」

鼻歌でも歌うかのように言いながら軽くステップを踏む。


そういえば最初もこんな感じだったな。こいつの癖なのか?


「だから半永久。こういう寿命を狂わせるような事をすれば剥奪される。

でもいい子にしてればさっき言ったとおりずっと幸せな生の繰り返し。

転生する時には忘れちゃうけど、死んだ後はまた一回ここへ来て、全て思い出し、

次はどういう生がいいか選べるプランもあるんだ」

「で、でもあれだろ。殺された方も寿命だったんじゃないのか?

一方的に悪いってわけじゃないんじゃ・・・・・・?」


「理不尽な死」


その一言にハッとする。

「めったにないって言ってたあれか?」

「そう。ここでの仕事を終えて転生したモノが、不必要な、

自分の生とは関係のないまだある寿命を奪う行為をして、

奪われたモノが出た時に生じるのが理不尽な死」


スクリーンではまだ悲惨な転生が続いている。


「一番最初のルール。寿命には関与しないが最優先。

カツミだって自殺しないでいいような生き方してたのに、

急に殺されたら、まだ生きれた!って、悔しくなるでしょ?」


「そりゃそうだけど・・・・・・」

「だからルールを破るとこうなるの。想像してみてよ。

このルールなかったらこのモノたちはずっと幸せなまま理不尽な死を作り出すんだよ」


お世辞にも豊かとは言えない想像力をかきたてるまでも無くぞっとする。


「な、なあ、ミカン。一つ質問あるんだけど」

寒気を払うように気になっていたことを口にする。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ