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11.南の島で海水浴

 翌朝。

 いつものごとくみさとは聡の腕の中から脱出した。窓から見える南の島の景色は、リソート気分満載だ。

 聡が起きる前にちゃちゃっとリゾート仕様のワンピースに着替える。ちなみに、別荘の中は常時気温が一定になっている。なんてったって、神様作成の建物だから。


 トロピカルなフルーツメインの食事の後は、みんなで海水浴である。


 起きたときから水着を着込んでいた子供達は、海へと駆け込んだ。アオイをはじめ精霊王達がついているので、大人たちはゆっくり部屋で水着に着替えてこれるのだ。


 あっという間に着替えられる聡を追い出してから、ゆっくりと着替えたみさとが外に出たのは一番最後だった。

 聡をはじめとする男達が固まってなにやら盛り上がっているので、耳を傾けてみる。


「チャイのシンプルな水着もいいなぁ。大人の女って感じ」

「いやいや、アオイのスクール水着もどきも清楚で」

「お、キンシャのビキニは眼福だぞ」


 男達のたわ言にみさとがあきれていると、同じくたわ言を耳にしたリンがやって来た。


「お母さま…」


 母娘はうなずき会うと、つかつかと男達に歩み寄りそれぞれの夫の耳をつかんだ。


「いだだだ!うわ、みさと」


「うわじゃありません。何話してるかと思えば…。アカギ、あなたもです!」


「は、はいぃ」


 逃げようとしていたアカギは、びくっとクビをすくめて立ちすくむ。残りの男達も小さくなっていた。

 男達の水着鑑賞会は、こうしてお母さまによってあっという間に解散させられたのだった。



 男達はそそくさと子ども達のところへと行き、相手をしはじめた。

 みさとはそれを見てふんと鼻を鳴らすと、パラソルの下デッキチェアーに寝転んだ。


 (いくつになっても男は男よね~)


 レンとハクと一緒に遊ぶ聡とシンを視界に入れながらみさとはしみじみ思う。

 聡の水着姿は20代半ばの男子としてまあ完成された身体をしていた。シンはちょっと細い、あと一歩と言ったところか。そのまま視線を動かす。アカギはまだまだ成長途中だし、ミドゥーリは40歳くらいのおじさんにしては鍛えてる風。以外だったのは、クロウドだ。彼は細マッチョだった。


(う~ん、クロウドとキンシャが並ぶとそこだけ世界がちがうわ~。映画の一場面か、ポスターみたい。…子供達が邪魔よね)


 などとみさとが脳内で妄想していたら、びしょ濡れでハイテンションのレンがやってきた。キラキラした目でみさとを見上げたレンの尻尾は、ぶんぶんと水しぶきを飛ばしている。嫌な予感にみさとは身構えた。


「お母さま!お母さまも海にはいりましょう!」


「きゃあ、レン、ブルブルしちゃだえうおあ!」


 みさとの制止もむなしく、レンは盛大に身体を震わせ水を飛ばした。当然みさともずぶ濡れだ。

 こうなっては、抵抗も出来ない。仕方なくみさとは巻いていたパレオをとるとレンについて海へと入った。大笑いしている聡はほっておいて、レンとハクと遊ぶことにした。シンの肩が震えてるのは気にしないことにする。みさとは南の海の美しさにすぐ夢中になった。


 ひとしきり遊んでは一休みを幾度か繰り返して昼食。その後は大人も一緒にお昼寝タイム。夕方からまた一泳ぎして夕食。子どもを寝かせたら飲み会へと突入だ。


 南の島の生活は、とても楽しい。 



 

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