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2.お祭りの楽しみ方

 シンとその妻を追いかけて走り出したアカギを、ミドゥーリはあわてて追いかけた。久々の二人っきりデートを邪魔するバカがどこにいる!


 アカギがシンたちに追いつく前にミドゥーリはかろうじて間に合った。アカギの襟をつかみ、苦笑するシンに目配せをしする。シンとリンは笑いながらうなずき、人ごみにまぎれていった。


「このバカが、お二人の邪魔するんじゃない!」


「え~、邪魔じゃないよ、もりあげようと…」


「それが邪魔なんです!」


 息をきらしながら、アカギに説教をするミドゥーリ。風の精霊王ではあるが、猪突猛進な火の精霊王アカギの捕獲は厳しいものがあった。身軽な10代前半な少年のアカギに対して、ミドゥーリは壮年の男性の姿をとっている。風の抵抗を多くして、アカギのスピードを抑えてやっとだ。

 説教されてるアカギは、馬の耳に念仏状態。気になる屋台をちらちら見ている始末だ。ミドゥーリのお説教にますます熱が入る。



「あらあら」


 タイミングよく、チャイの登場だ。大地母神の性格を色濃く出したチャイは、30代の女性の姿をとっている。何者にも揺るがない『母』には、10歳くらいの少女の姿をとった水の精霊王アオイが恥ずかしそうにくっついていた。

 

「ミドゥーリ、少し落ち着いて。せっかくのお祭りよ?」


「チャイ…」


 おっとりとしたチャイに腕をとられたミドゥーリは、一つ息を吸い、落ち着きを取り戻す。


「そーそー、楽しまなきゃ!」


「アカギ、あなたもよ。なぜ、怒られたのかわかってる?」


「え、え~と…。久々の夫婦二人っきりにくっついていこうとしたから?」


「…疑問系なのが気になるけど、その通り。わかってるなら、もうしないのよ」


 いつもはおだやかなチャイが、眉をひそめてアカギを見つめた。


「え~、この頃シン様かまってくれないんだもん。新しく生まれた孫ばっかり可愛がってさ」


 アオイが目を見開き、チャイとミドゥーリがおやおやと顔を見合わせた。


「…アカギ、寂しかったの?」


 アオイの言葉に、アカギの顔が本来の髪色と同じくらい真っ赤になる。


「だ、誰が寂しいんだよ!?いつも誰かに引っ付いてるおまえとは違うんだぞ!チビアオが!!」


 アカギの激しい言葉に、アオイの瞳がみるみる潤んで行く。

 しまった、言い過ぎた。自分の失態に気付き、アカギはとたんに慌てだした。


「う、うわ、ごめん!いいすぎた!な、泣くな、泣くんじゃないぞ!?」


 うろたえて、アオイを一生懸命なだめているアカギを、チャイとミドゥーリがほほえましくみまもっている。


「うふふ、ほんとアカギはアオイの涙に弱いのよね~」


「見事な火消しだな。われわれの出る幕も無い」


「ええ、あ、アオイの涙はおさまったみたいよ?」


 ほっとした様子のアカギが、アオイの手をとってチャイとミドゥーリを振り返った。


「ねえ、お店見に行こうよ!」


 にぱっと笑ったアカギの隣で、アオイも恥ずかしそうに笑っている。チャイとミドゥーリはその両脇を固め、4人で、祭りの出店を巡り始めた。


 あっちの店こっちの店と、渡り歩き、それぞれに欲しいものを買い、出し物まで堪能して4人は心行くまで祭りを楽しんだのだった。







水の精霊王アオイは 必殺技 乙女のなみだ を 使った!

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