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16.実録・温泉騒動記

 温泉旅行の夜、夕食の後の自由時間のこと。

 女性陣は、もう一度温泉に入るといって先ほど歩いていった。


「そろそろ、いいか」


 と言って、アカギがミドゥーリとクロウドを手招きした。何だと思いながら、アカギについていくと、温泉への道をたどり始める。


「アカギ、このままだと温泉につくよ?いまは、女性達が入ってる…」


 ミドゥーリが、あわてて止めようとするのを、アカギが取り合わない。いいからいいから、いやダメだよともめながら温泉へと近づいていくのを、クロウドは一歩下がったところから眺めていた。

 

 温泉は、キンシャが出したであろう光玉で優しく照らされていた。女性達の楽しそうな声が、響いている。


「おお~、眼福」


「ダメだよ~、アカギ~」


さらに近づこうとするアカギをしがみついて止めようとするミドゥーリだが、アカギの力にはかなわず、引きずられてしまっていた。


「見たくないなら、離せよ!」


「こういうことは、良くないよ~」


「いいじゃないか、減るもんじゃないし」


と、アカギとミドゥーリがもめてる間、クロウドは、闇に身を沈め、光に浮かぶ温泉を眺めていた。


 みさとは、リンを抱っこしているので、ばっちりガードされている。クロウドも、別にみさと(お母さま)を見る気もないし、見たら見たで聡(お父さま)の機嫌が急降下することがわかっているので、これは都合がよかった。


 チャイは、しっかりした体つきだった。大地母神の性格を持つだけのことはあるなと、クロウドは納得する。アオイは、ほっそりとした、少女のような体で、温泉の中をただよっていた。そして、クロウドの対であるキンシャは、とても女性らしい体つきだった。


 クロウドは、自身とアカギ、ミドゥーリのほとんど変わりのない体を思い浮かべて、フムと思考の海に沈んだ。同じ精霊王でも、女性達の方が個人差が大きい。

 前に、みさととシンの成長について話していた時、人間は女性の方が、成長が早いという話を聞いた。では、精霊王でも同じことが言えるのではないだろうか、などと巡らしていた思考の時間は、アカギの叫び声で破られた。


「いって~!何すんだよ、キンシャ。ケガすんだろーが!!」


「のぞいてたあんたが悪いんでしょ!」


「ぐっ、で、でもここまですることないだろうが」


「これでも、生ぬるいわ!」


 にらみ会うアカギとキンシャに、クロウドはやれやれと苦笑した。チャイとミドゥーリが、つかみかかりそうな二人を押さえている。温泉の方に顔を向けると、泣いているアオイをみさとがなぐさめていた。


 聡とシンが様子を見ているのを確認し、クロウドは事態をおさめるべく闇から抜け出した。


 お説教は、お父さまとお母さまに任せよう。クロウドはそう思いながら、仲間のもとへと近づいていった。


「二人とも、ちょっと落ち着こうか?」


 クロウドは、にっこり笑った。

《シン》

父さまに、興味ないのって聞いたら、母様だけでいいんだってさ。

アオイたちは、娘だから見ないとか。

ぼく?母親と姉妹見る趣味はないです。

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