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11.ペットを飼いましょう

 シンが歩いて言葉を話すようになってから、生き物が生まれはじめた。最初は、小魚と小鳥とリス。葉ずれの音しかしなかった森に、生き物の音が加わった。

 シンは、初めて見る生き物達を捕まえようとするが、すばやい動きに逃げられてばかりいる。魚を捕ろうとして池に落ちること2回、落ちそうになるシンをかばってアカギとミドゥーリが落ちることそれぞれ一回。

 シンと動物達の鬼ごっこは、今日も飽きることなく続けられていた。



「あ!あれ なに?」


 シンが指差す方向を聡とみさと、精霊王達が見ると、今までいなかった、仔犬と仔猫が顔を出していた。


「お、仔犬と子猫だな」


 聡の答えを聞く前に飛び出したシンを、クロウドとキンシャが追いかける。

 仔猫は、警戒心が強く、さっと姿を消したが、仔犬は逆にシンに興味があるようで近寄ってきたところをシンに捕獲された。


「うわ~、かわいい~」


 シンがにぱっと笑う顔に、君のがかわいいとみさとはニヨニヨする。シンに駆け寄ったクロウドとキンシャが、あわてている。


「シン様、少しお力をゆるめてください。仔犬が、苦しそうです」


「う?」


 クロウドの言葉に、シンも力を緩める。仔犬がけほっと咳き込んだ。


「これ、こいぬ?」


「そうだ、あまり強く抱きすぎるんじゃないぞ。シンもぎゅ~っとだきしめられたら、苦しいだろ?」


「うん、わかった」


 シンが真剣な顔で聡に答える。


「シンちゃんが大きくなってきたから、生まれてきたのね」


 みさとがシンの横にしゃがんで、仔犬をなでると、仔犬はその手に顔をすり寄せる。のどかな風景だ。



「おうちに つれてく!」


 シンがキラキラした目で、そう宣言した。

 

 きたか~、ペット飼いたいイベントが! と、みさとと聡は、顔を見合わせ、こそこそ相談を始めた。


(どうするの?)


(う~ん、まあ、ペットは情操教育にいいっていうしなぁ。それに、7人がかりのお願いにダメっていえるか?)

 

 チラッと見れば、シンだけでなく精霊王達6人も、期待の眼差しで2人を見ている。


(む、ムリみたいね…)


(だよなぁ)


 顔を見合わせて、ため息をつくと、シンに向き合った。



「ちゃんとお世話ができるかな?ご飯あげたり、散歩に行ったり、みんなでするんだぞ?父さんと母さんは手伝わないからな」


「はい!」


「お任せください!!」


 シンよりも、精霊王たちのほうがうれしそうだった。特に、アカギとチャイが張り切っている。7人で名前をどうするの誰と一緒に寝るのだの大騒ぎだ。



「そのうち、犬小屋作らないとなぁ」


「日曜大工は、まかせたわよ、お父さん!」


「作り方、マニュアルに無いかなぁ」


 ちょっぴり、自信無げな聡でした。

《シン》

いぬが おうちにきたの!

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