#8 13日の金曜日①
いつもは携帯のアラームで起こされるはずが今日は何故かアラームよりもはやく起きてしまった。
どうやら今日は台風らしく雨が風で家に打ち付けられているような音がしていた。
「今何時だろ…」
私は携帯を開いて時間を確認した。
5時28分…何この微妙な時間…
あ、今日13日の金曜日だ。
もしかして今日は不吉な日?嫌な予感しかしない…とりあえず顔洗ってこよう。
私は一階の洗面所に向った。
「そう言えば今日、学校あるのかな?」
たしか、警報が出てたら登校禁止だったよね。この台風だし、ないだろうなぁ。あったとしても電車遅れてるだろうから絶対遅刻だろうな…
顔を洗って洗面所を出ようとしたとき父さんと会った。
「おはよう。今日は早いな」
「おはよ。って、父さんびしょ濡れじゃん!えーっと、はい!タオル!早く拭かないと風邪ひくよ!」
私は棚からバスタオルを取って父さんに渡した。
「ありがとう」
「今帰ってきたの?」
「ああ。茜、今日学校あるのか?」
「うーん、ないんじゃないかなぁ。この台風だし」
「そうか。休みだったら1時頃に起こしてくれないか?2時から仕事があるんだ」
私は了解と返事をして洗面所を出た。
部屋に戻って携帯を見てみると由里から今日は休みだとメールがきていた。
よし!
休みだーーーーーっ!!
何しようかなー、漫画一気読みしようかな!
あ、その前にごはん食べなきゃっ!
私は部屋を勢いよく飛び出して階段を駆け下りてキッチンに向かった。
あれ?リビングにもキッチンにも、もう電気がついてる。
誰かが朝ごはん作ってるのかな?
父さんは寝るって言ってたし、遥はまだ寝てるだろうから、玲兄か瑠衣兄か。
どっちだろう…後ろ姿じゃ全く分からぬ…
うーん…髪のはね方が瑠衣兄っぽいから瑠衣兄!
さてさて答えは?
「おはよ」
「あっ、茜!おはよー」
ハズレ…
「なんだ、玲兄かー」
「なんだとはなんだよー」
「瑠衣兄かと思った」
「うぅっ…妹にも見分けられてないなんて…」
玲兄は両手で顔を覆って泣き真似をしながら言った。
「いやいや、後ろ姿だけじゃ誰も見分けられないから」
「ま、そうだよなー。でも何で瑠衣なの?」
泣き真似終わるのはやっ!
「髪のはね方が瑠衣兄っぽかったから?」
「あんまり変わんない気がするけど?」
「うん、だからほぼ直感。ところで、何作るの?フレンチトースト?」
「正解!茜も食べる?」
「うん!食べる!」
「じゃあ皿とかの準備よろしくー」
「りょーかい!」
朝ごはん作る手間が省けた!
もしかして今日結構いい日なんじゃない!?
私は鼻歌交じりで準備を始めた。
13日の金曜日と言えばジェイソンですよね!
実はジェイソンが何なのか知らないですww