#4 このシスコンめ!
「ただいまー」
綾子さんたちとの会食を終えて只今帰還いたしましたっ!
帰還って、確か遠方から帰ってくることって意味だよね。戦場とかから帰って来たときに使うんだよね。使うとこ間違えた…
今日の会食は再婚することを伝えるためのもので何かを決めるとかそう言うためにしたことじゃなかったらしい。
来週には綾子さんたちがこの家で暮らすからその前に少しでも私たち家族に馴染んでもらうためでもあったと父さんから聞いた。
「おかえり」
「ただいま。遥もおかえり」
「「ただいまー」」
「瑠衣兄、玲兄おかえり。」
「うん、ただいま!」
玲兄はにっと笑って答えると私の頭を撫でた。撫でたと言うか、揺すった?
「うわっ!?ちょっと、玲兄!強い!脳が揺れる!!」
「ははっ、いーじゃん」
「よくないっ!!」
う…やば、そろそろ気持ち悪くなってきた…
「玲、そろそろストップ。茜が死ぬから」
「えっ」
瑠衣兄の言葉で玲兄は撫でるのを止めた。
そしてその隙に私は玲兄の手から逃げた。
「た、助かった…瑠衣兄ありがと」
本当はそれくらいじゃ死なないとつっこみたかったけど、助けてもらったし、そんな余裕もなかったからやめた。
「うん、どういたしまして。」
瑠衣兄はそう言って私の頭を撫でた。
撫でるの好きだな、この双子…
でも瑠衣兄のは気持ちいい、落ち着く。
「えっ、なんで俺のときと瑠衣のときで反応違うのっ!?」
「なんでって、玲が加減しないで撫でるからだろ」
「うっ… あ、茜、怒ってる?」
「…ん?え?」
危ない、気持ちよすぎて寝そうだった…
「怒ってる?」
「んー?怒ってないよ?」
「そっか、よかった」
玲兄はえへへっと嬉しそうに笑う。
玲兄、今何歳だっけ?二十歳?
二十歳の青年がえへへってどうなのさ
あー、駄目だ眠い…
「瑠衣兄…そろそろ離して?」
「ん?ああ、ゴメン」
忘れてたと言って手を頭から離した。
いや、忘れるなよ…
「茜、眠いの?目がとろんとしてる」
「ん…少し。瑠衣兄に撫でられてたら眠くなってきた…」
目を擦りながら言うと瑠衣兄がまた頭を撫でてきた。
「瑠衣兄…寝ちゃいそうだから、やめて」
「嫌、運んであげるから寝ていいよ」
「嫌って…」
「茜が可愛いから、やめるの嫌」
「おいこらシスコン!」
今まで静かだった玲兄がつっこみを入れた。
「え…玲に言われるなんて…ショック」
「二人とも似たようなもんだろ」
車をガレージに戻してから帰ってきた父さんにつっこまれた。
「あ、父さん」
「おかえりー」
「…とう、さん?おかえりぃ…」
睡魔と戦いながら何とか笑顔を作って父さんに返す。
「ただいま。茜はすごく眠そうだな。早く寝ろよ?」
「ん…お風呂、入ったら、寝、る…」
「今入ったら風呂の中で寝そうだからやめときなよ」
やっと撫でるのをやめた瑠衣兄が言った。
「う…ん。じゃ、明日の朝、入る」
「そうしな、そうしな」
「じゃ…寝る。おやすみ、なさい…」
「おやすみ」
「おやすみー」
「おやすみ。大丈夫?運ぼうか?」
「おい、瑠衣!」
「だい、じょうぶ…自分で行ける」
「そっか。おやすみ」
「ん…おやすみ…」
少しふらつきながら自分の部屋に向かう。
玄関のほうから寝ぼけた茜も可愛いなーと言う声が聞こえたような気がするけど、幻聴ってことにしておこう。
撫でられると眠くなりますよね