#3 めでたいめでたい
「再婚するんだ、綾子さんと。」
ですよねー。
「そっか、おめでとう」
「おめでとう。綾子さんも、おめでとうございます。」
遥が軽く微笑みながら言う。
「ありがとう」
そう言って綾子さんが遥に微笑み返した。
やっぱり綺麗だなぁ。
私は一瞬見惚れてしまった。
「再婚か、よかったよかった。これで一安心だ」
「今度は離婚なんてすんなよー」
続けて玲兄と瑠衣兄が冗談混じりに言う。
「おまえらなぁ…」
と、父さんは苦笑した。
「失礼します」
ウエイトレスさんが料理を運んでくる。
フランス料理のフルコースか、と思いながら小さくいただきます、と言って食べ始めた。
あ、これ美味しい!
高級店はやっぱ違うなぁ~。
前菜が食べ終わるってところで誰かの視線を感じ、顔を上げてみるともう前菜を食べ終えていた綾子さんと目が合った。
何だろう?
もしかして、私の食べ方がヘンとか?
えっ、どうしよう…
「茜ちゃんって美味しそうに食べるのね〜」
「へ?そうですか?」
てっきり食べ方とかを注意されると思ってたからちょっと拍子抜けだな。
「うん、見てて幸せよ~、はぁー、私も娘が欲しかったわ~、要じゃつまらないし」
綾子さんははぁー…っと一つ溜息を吐いた。
つまらないって…ちらっと綾子さんの隣の少年を見ると聞いてないのか全く気にせずにサラダを食べている。
綾子さんは少しショボーンとしていた。
そんなに娘が欲しかったのかな?
今からでも遅くないと思うけど…
あ、でもどっちが産まれるかわかんないよね。
…と言うか、綾子さんと父さんがそう言うことしてると思うとなんか、シュール…
あれ?そう言えば、
「綾子さん、父さんと結婚するんですよね? なら私娘になるんじゃないですか?」
「! そうね…そうよねっ!!ふふっ、嬉しいわ」
さっきまでショボーンとしていたのが嘘のような満面の笑みを見せた。
何この人本当可愛い!
父さんが惚れた理由が分かった気がする。
てかこれで惚れないほうがおかしい。
どうしよ萌える!何これ萌える!
大人の女性に萌えたの始めてかも。
「私も嬉しいです!」
にやけそうになるのを我慢して、綾子さんに言った。我慢したつもりだけどにやけてたかも…
茜は実はオタクです。
この後だんだん発言オタクっぽくなる…かも
誤字あったらスミマセン。