付き合い始めた彼女がエイリアンだった件
18年めの夏、僕に初めての彼女が出来た。
クラスのアイドルの、大空コヨリさんだ。一か八かの告白がまさか成功するとは思わなかった。奇跡が起こったのだ。コヨリさんに「これから、よろしくお願いしますね」と言われた時には僕の心の臓はタイタン級の震動、脳内には桜の花がぱあっと咲き誇った。
彼女の家にも案内されて有頂天の僕だったが、その輝かしい学園恋愛生活に早くも暗雲が立ち込める。それは、大空コヨリさんと自宅の部屋で楽しく話していた時だった。急に彼女の様子がおかしくなり、らグロロロロと変な声を出し始めたのだ。僕が心配して声をかけると、彼女の口からはとんでもないものが飛び出していた。
それは、顔だった。小さな生物の顔。
僕は、驚きのあまり尻もちをつきそうになったが、彼女に悪いのでばれないようにうまく口でごまかした。
「あ、ごめん。たまに出てきちゃうんだよね~第二頭部。 テヘッ」
天然系の彼女だが、今の声はクリーチャー的なボイスだ。
しかも、出てきた頭部から変な液体が床に垂れて、ジュワーと言う音を放っていた。おそらく、溶解液と言うヤツだろう。僕は慌てて彼女にティッシュペーパーを箱ごと渡して全て拭かせたが、カシミアの絨毯には大きな穴があいてしまった。
金曜ロードショー好きの僕の見解では、彼女はエイリアンだと思う。
心の中に咲いていた桜の花は、気がつけば全部散ってどこかに飛んでいてしまっていた。




