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スマホ転移で始める異世界ゆるゆる生活 ~日本の商品が高値で売れたのでスローライフを目指すことにしました~  作者: 出雲大吉
第1章

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第022話 それは嫌


 俺達はそのまま電車に乗り、目的地の駅までの間、こっちの世界のことをフィリアに説明し続けた。

 そして、駅に到着し、10分ぐらい歩くと、目的の店が見えてくる。


「あれ」

「大きいねー。あれが1つのお店なの?」

「専門店じゃなくて、色んなものが売ってる店だよ」


 俺達は店に着くと、中に入る。

 現在の時刻はまだ朝の9時のため、人は多くない。


 俺がカゴを持ち、手前の生鮮食品コーナーから見ることにした。


「野菜って売れるか?」

「売れないんじゃないかな? 似たような野菜もあるけど、これとか見たことないし」


 フィリアが手に取ったのはほうれん草だった。


「俺にはただの草にしか見えんな」

「まあ、当然、食用なんだろうけど、多分、皆、そう思うでしょうね」

「まだ、果物の方がいいか」


 俺達は隣の果物のコーナーに行く。


「果物は結構、共通してると思う。大きさとか色味は違うけど、これとかイチゴでしょ」


 フィリアとの酎ハイの会話でブドウ、桃、リンゴがあるのはわかっていた。

 どうやらイチゴもあるらしい。


「売れるならどれだ?」

「これ、全部食用だよね? お酒とかで使うやつじゃないんでしょ?」

「全部、食べるやつだな」

「うーん、どんな味だろう?」


 食べてみないとわからないか。


「食いたいものをこのカゴに入れろ」

「私、この世界のお金ないよ?」

「俺が出す。経費だ。俺は金貨に換算すれば1000枚以上は持ってる」


 霊媒師は儲かるのだ。

 まあ、ほぼやーさんにやっている未来予知だけど。


「ほう? さぎ、じゃない、占いかー」


 いや、半分、詐欺も入ってる。

 霊を祓ったあとに、無駄に魔よけの護符を売りつけていたりする。


「まあ、何でもいいだろ。どれにする」

「これ」


 フィリアはブドウとリンゴをかごに入れた。


「こんなもんか。次は乳製品コーナーか……無理だな」

「だねー。さすがにこの辺は管理が牧場だもん」


 俺達は乳製品コーナーをスルーし、次のコーナーに向かう。


「魚は?」

「ホントだ。魚を売ってる。そういえば、島国って言ってたもんね」

「ああ。魚は豊富に獲れる。アルトの町は?」

「東に行けば内海があるからねー。そこの町で獲れるよ。ミケが行ったところ」


 そういえば、そうだった。

 ミケの弟が魚を食っているところを見たわ。


「売れないか……」

「売れるかもだけど、ここにある魚はどれも見たことがないからやめた方がいいと思う」


 やめとくか…………

 魚は毒とか寄生虫もあるし、トラブルの元だろう。


「次は肉だが……」

「肉は売れないと思う。大森林でいっぱい獲れるもん」


 そんな気はしていた。

 宿屋で800円の定食を食べた時、結構な肉のボリュームだったのだ。

 あれを800円で売れるくらいには肉が豊富なんだろう。


 それから調味料やデザート、加工品を見て回り、気になったものをカゴに入れていった。


「ここは食材だけじゃなくて、服とかも売ってるんだねー」


 俺達はスーパーのコーナーを見終えた後、ホームセンターのコーナーに来ている。


「だなー。あ、そうだ。スコップが欲しいんだった」

「スコップ?」

「黄金草を採取するのに使う。穴掘り道具だよ」

「へー。見てみたい」


 俺達はスコップがある売り場に向かうと、スコップを吟味する。


「これは売れるだろうけど、絶対に問題になるな」

「でしょうねー。あ、なんか武器っぽいもんも売ってる」


 フィリアが見ているのはバールのようなものだ。

 まあ、武器にもなるだろう。


「それはいい。まあ、こんなもんかなー。何か見たいものとかある?」

「とりあえずはいいかな。正直、情報が多すぎて、整理できてない」


 フィリアは頭が良い子だとは思うが、さすがに一度にこの世界を理解できるのは難しいだろう。


「帰るか……お腹も空いたし」

「だねー。私はこのパンが食べたい」


 フィリアは先ほど、かごに大量に入れた菓子パンやデザートを指差す。


「こっちは朝の10時だが、向こうは夕方の4時かな……」

「そういえば、昼すぎだったのに朝になってたね」

「時差があるんだよなー」

「その辺は何回聞いても理解できないよ……」


 まあ、俺もよくわからないからなー。


 俺達はレジで精算をし、大きな袋を持って、家に帰ることにした。


 家に戻ると、買ったものをソファーの前のローテーブルに並べた。

 そして、菓子パンを食べながら吟味していく。


「どうだ?」

「まず、このパンがすごく美味しい。甘いし、柔らかい」


 フィリアは嬉しそうにイチゴの菓子パンを食べている。


「あっちのパンは堅かったしなー」


 不味くはなかったが、もうちょっと柔らかいのが良い。


「これはもう完全に別物だよ。私は断然こっち派。もう向こうのパンを食べたくなくなってくる」


 パンは大事な主食だからそういうわけにはいかないよー。


「売れるか?」

「絶対に売れる。そして、パン屋が潰れ、恨まれる」


 トラブルが起きるわけね。

 その前に商人ギルドが黙ってないと思う。

 そのための商人ギルドだろうし。


「厳しいか……」

「こっちの世界の物は良すぎるんだよ。あ、このケーキも美味しい!」


 よく食うなー。


「良すぎて売れないわけか……」

「正直に言えばね、どれも売れるよ。このパンやお酒だって売れる。このソファーも、このテーブルも、コップも何もかも売れる。もっと言えば、この白いがしゃがしゃする袋も売れるよ」


 レジ袋も売れるのか……


「こんなもんを買うのか?」

「軽いし、水を入れられるもん。買うよ」


 そんなもんか……


「でも、売ると問題になるわけだ」

「間違いなくね。下手すると、貴族よりも上が出てくるよ」


 貴族より上……王様か。


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