外伝 融合の雫と白兎の日常
数ヶ月後、水と銀鋼の王国は完全に統合され、「湖銀の連合王国」と名を変えていた。
湖の水位は安定し、砂丘のミスリルはより輝きを増した。
融合の雫——湖水としじみ抽出液、ミスリルと名産の力が混ざった新資源は、両国の民に無限の活力を与えていた。
悠真とリルカは、黒い城の湖畔で新婚生活を送っていた。
リルカの兎耳は、毎朝の湖風に優しく揺れ、赤い瞳は悠真を見つめて輝く。
「王子……いや、夫よ。今日もあの雫を試してみる?」
リルカがミスリル製の小瓶を差し出す。
中には融合の雫が黄金に輝いている。
「そうだな。しじみ抽出液の回復力と、永遠の輝き梨のスタミナが融合したら……無敵のポーションになるはずだ」
二人は瓶を飲み干す。
体が熱くなり、活力が爆上がり。
リルカの超速がさらに速くなり、悠真の陰陽術が強まる。
だが、平和な日常に影が差した。
境界の奥から、古の魔物が蘇ったという報告が入った。
それは、予知の呪いを残した首魁の残党が呼び起こした「渇きの巨獣」——棘殻の王蟹と砂根の守護根を扭曲させた巨大な怪物だ。
「また戦いか……」
悠真は勾玉を握り、陰陽の鏡を準備する。
リルカはミスリル剣を構え、兎耳をピンと立てる。
「今度は二人で倒すわ。融合の力で!」
二人は渇きの谷へ向かう。
巨獣が砂嵐を巻き起こし、毒霧を吐く。
リルカの兎跳が炸裂し、超速割り込みで巨獣の隙を突く。
悠真の詠唱が始まる。
「陰陽の融合、雫の光よ——」
詠唱中、リルカが守りを固め、融合の雫を飲んで耐久を強化。
光の鎖が巨獣を包み、祓いの力で溶かす。
戦いの後、二人は湖畔に戻り、夕陽を眺める。
リルカの兎耳が悠真の肩に寄りかかる。
「……これからも、ずっと一緒に」
「約束だ」
融合の雫が、二人の未来を照らすように輝いた。
(外伝完)




