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異世界ロミオ&ジュリエット  作者: nekorovin2501


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第3話 暗躍の影と融合の兆し

渇きの谷での共闘から数日後、仮婚約のニュースは両王国に波紋を広げていた。

水の王国では、伝統的な陰陽師派閥が「銀鋼の蛮族との結びなど、穢れだ」と反発。

銀鋼の王国では、白兎族の戦士たちが「水の軟弱者と混ざるな」と不満を募らせていた。

神託の予知は絶対視されるが、歴史的な怨恨はそう簡単に消えない。

悠真は黒い城の隠し部屋で、陰陽大師と密談していた。

大師は湖水を注いだ鏡に呪符を浮かべ、再占いを行う。

「予知は変わらぬ。王子と王女の結びが、両国を救う鍵じゃ。だが……影が迫っておる」

「影?」

「妨害者じゃ。両国に巣食う、予知を信じぬ者ども」

その頃、リルカは砂丘の古神殿で、父王と白兎族の長老たちに囲まれていた。

長老の一人が、ミスリル剣を叩きながら叫ぶ。

「神託など、水の陰陽師の策略だ! 王女を渡すなど、絶対に認めぬ!」

リルカは兎耳をピンと立て、静かに言った。

「父上……私自身が、神託を確かめます。もし本物なら、従うしかありません」

父王はため息をつき、頷いた。

「ならば、境界の神託塔へ行け。そこで最終占いを行え。だが、一人で行くのは危険だ」

「わかっています。……王子と共に行きます」

———

境界の神託塔は、湖と砂丘の境目にそびえる古い遺跡。

塔の頂上で行う占いが、神託の真偽を最終的に確定させる。

悠真とリルカは、再び二人きりで塔に向かった。

塔の入り口で、二人は名産を交換する習慣を続けていた。

悠真がしじみ抽出液の瓶を渡す。

「これで活力が出る。砂丘の熱さに負けないように」

リルカは永遠の輝き梨を返す。

「これを食べて。肌が荒れないわよ……って、男に言うのも変だけど」

二人は軽く笑い合い、塔内へ進む。

階段を上る途中、突然異変が起きた。

砂の壁が崩れ、棘付きの影が飛び出した——棘殻の王蟹を模した魔物、ではなく、覆面の刺客たち!

「——敵!」

リルカの兎耳が反応し、超速で剣を抜く。

刺客の一人がミスリル製の短剣を投げ、悠真を狙う。

「水の王子を討て! 神託など偽りだ!」

悠真は即座に呪符を広げ、詠唱を始める。

「陰陽の盾、結界を張れ——」

詠唱時間、五秒。

その間、リルカが割り込みのように動き、刺客の投剣を叩き落とす。

「貴様ら……銀鋼の裏切り者か!?」

刺客たちは白兎族の敏捷を模した動きを見せたが、リルカの速さには及ばない。

彼女の銀閃が一閃し、二人を倒す。

だが、残りの刺客が砂根の守護根を加工した毒針を放つ。

「くっ……毒!?」

リルカの肩に針が刺さり、体がわずかに痺れる。

悠真の結界が完成し、刺客たちを押し返す。

「リルカ! しじみ抽出液を飲め! 解毒できる!」

リルカは瓶を飲み干し、体内の毒を払う。

活力が湧き上がり、再び超速の兎跳で刺客に迫る。

「これで……終わりよ!」

ミスリル剣が弧を描き、残りの刺客を倒した。

息を切らしながら、二人は互いに支え合う。

「……ありがとう、王子」

「いや、君の速さがなければ、俺は死んでた。……これ、両国の妨害派閥の仕業だな」

リルカは頷き、兎耳を少し垂らした。

「神託を信じない者たちが、結婚を阻止しようとしてる。……でも、私、もう迷わない」

塔の頂上に到着した二人は、最終占いを行った。

湖水と砂を混ぜた鏡に勾玉を浮かべ、神託を呼び出す。

鏡面が輝き、同じ予知が現れる。

「結ばれねば、滅ぶ……」

だが、新たな言葉が加わった。

「水と銀鋼が融合せば、新たな恵みが訪れる」

二人は視線を交わし、胸元の勾玉が強く共鳴した。

下界では、湖の水位がわずかに上がり、砂丘のミスリルが輝きを増す兆しが見えた。

妨害の影はまだ去っていないが、二人の絆は少しずつ強くなっていた——。

(続く)

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