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遊頁譚  作者: 劉白雨


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第廿話 「運命の交差点」


 運命はいつも自由だ。

 私の思い通りにはならない。

 行き先を好き勝手に決め、私を導く先は、いつも意味の分からない場所なのだ。

 

 私の朝は運命で決まる。

 朝起きた私は、その運命に翻弄されるのだ。

 朝の支度をして、出かける用意をし、朝食を掻き込み、運命の声と共に、一日を始める。

 来る日も、来る日も、運命が一日の私の行動を決めるのだ。


 運命は私の人生である。

 彼がいないと、私は人生が終わっていただろう。

 彼が私を導き、彼と共に人生を歩んできたのだ。

 彼無しの人生は考えられない。


 運命は、時に残酷で、時につれなく、時に厳しく、時に優しいのだ。

 私が仕事で疲れて泥のように眠っている時でも、運命は容赦がない。

 運命が私の睡眠を妨げ、生きる気力を削りに来ることさえある。

 だか、運命の仕業であると思うと、心はなぜか優しくなるのだ。

 どうせ、運命のやることだからと思うと、心穏やかになるのだ。

 そう、私は運命の一挙手一投足に翻弄されることが、幸せと感じているのだ。

 だからこそ、運命に人生を任せ、運命と共に生きることが苦ではないのだ。


 ある日運命は、私をとある交差点に導いた。

 そこで私は美味しいコーヒーと、優しいマスターに出会ったのだ。

 これもまた運命のお陰だろう。

 こんな場所に導いてくれた運命には、感謝しかない。

 だが、よくよく考えたら、運命もここに来ることを楽しんでいるのかも知れない。

 そうだろう。でなければ、私をここに連れてくる意味などないのだから。


 しかし、私はこの交差点で運命を見失った。

 運命の行方は誰にも分からなかった。それもそうだ。

 誰が人の運命を気に掛けるだろうか。

 だが、この喫茶交差点のマスターは違った。

 その優しさと共に、運命は人知れず天国へと旅立ったんだと教えてくれた。

 猫というものは、自分の死を主には見せたくはないのだからと。



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