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嫌いだ  作者: 蓮根三久
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 無事にテスト対策問題が作成出来て、テストも終わった。僕は学習委員会という勤勉な委員会に所属しているのにも関わらず、社会と数学の問題集の宿題が提出期限に間に合わなかった。



 一行でまとめられる程その宿題は簡単ではなかったけれど、しかしその宿題もなんとか終わった。



 学校から帰宅した僕は、やっと解放されたという反動で、家族共有のパソコンを開いた。自分のスマホなんて持っていなかったし、父親はゲームを毛嫌いしていてゲーム機なんて買えないので、娯楽はそのパソコンか漫画か小説しかなかった。



 パソコンを開いて、”中学生がよくやるあの”TPSゲームを起動した。



「二宮君ってこれやってる?」



 と、学校でK岡に問われ、フレンドになり、そして一緒にゲームをするようになった。



 僕も彼女もあまりそういうゲームが得意ではなくて下手くそだったけれど、なんだかんだ言って、通話をしながらゲームをするその時間は楽しかった。



 その日は通話が出来なかった。理由としては僕の家に姉がいたからだ。女子と通話しているところなんて知られたらどんな目に合うか分からない。



 なのでゲーム内チャットで会話をしていた。



「さっきの試合惜しくなかった?」



「ね!まだまだいけるよ!がんばろう!」



 初対面の頃はあまり明るい子ではないなと思っていたけれど、一回仲良くなると結構印象が変わるものだった。



 その後も何度か試合をして、終わった後にチャットで会話をして、試合をして、会話をして、を繰り返した。



 そして時間的に最後の試合が終わったそのときだった。



「ねえ二宮君。」



「どうしたの?」



「私と付き合わない?」



 その発言は唐突で、しかし予想していなかったわけではなかった。T村に言われてムキになったとかそういう事は無い。でも、なんとなく言われるような気がしてた。



 僕はこの頃、付き合う事をやってみたいなと思っていた。そんな思考だったから正直、誰でも良かったと言えば嘘ではない。だけれどK岡は間違いなく僕にとって特別な存在だったので、自分がK岡の事を好きなんだと思い込むことで、己の行動を肯定した。



「うん、付き合おう。でも、高校卒業するまでは二人だけの秘密だからね。」



 そのチャットを送って、多分僕とK岡は付き合いだしたんだと思う。翌日になっても実感は無かったけれど。




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