永遠の輪

　時を超えて語り継がれる伝説、「永遠の輪」。
　それは、古の錬金術師ヘルメスによって錬成された、時間の流れすら操るという禁断の遺物だった。かつて世界を混乱へと導いたその力は、封印され忘れ去られたはずだったが、今また、静かに目を覚ましつつある。

　物語の主人公・アレン・ブライトは、穏やかな村で静かに暮らしていた。しかし、ある事件をきっかけに兄の行方がわからなくなってしまう。時間が経つにつれ、幸せだった頃の家族を取り戻したいと考えるようになっていく。失われた家族の時間を、錬金術という理論に託し、旅に出る決意をする。
　時間にわずかな歪みが生じる中、彼は知る――自分自身が「未来」と深く関わる存在であることを。

　旅の途中で出会う仲間たちは、誰もが過去と痛みを抱えていた。
　　明るく前向きな錬金術学者・リーナ・セイジ。
　　冷静な仲間のまとめ役・ザック・クロノス。
　　過去にとらわれた薬師・エリア・シャドウ。

　それぞれが過去に大きな痛みを抱えている。その想いを胸に、永遠の輪に迫る。「未来を守る」のなのか、それとも「未来を創る」ものなのか。旅の中で交差する人々の想いと過去、そして試される。

　旅の先に待つのは、運命を受け容れる姿か、それとも未来を選択する姿か。誰もが過去と向き合いながら、それでもなお未来へと進む。

　時間と記憶、そして人の心の強さをは、自らの意志で歩むということの意味を、静かに、しかし力強く問いかける。変わりゆく世界の中で、彼らは何を学び、何を残していくのか。

　本作では、時間、記憶、選択、そして責任というテーマを軸に、仲間との絆と成長の物語が繊細かつ重層的に描いている。時にすれ違い、迷い、傷つきながらも、それでも前を向いて進む彼らの姿を楽しんでいただきたい。

　美しくも儚い風景と、深く掘り下げられたキャラクターたちの心理描写。そして、運命すら超えて「自らの意志で未来を紡ぐ」若者たちの物語が、今、始まる。