それぞれの晴明
今川隊長たちのおかげでボクのはっちゃんは東海道新幹線の軌道上に設置された。今川隊のみんなが手を振って見送ってくれた。本当にありがとうムーンライト部隊の皆さん、ご飯を一緒に食べた隊員さんたちのことが色々胸に浮かんだ。
はっちゃんは最初はその六本足を使ってゆっくりと熾烈な戦いの場を離れていった。
「ひなたもアカネも何ボケーッとしているの無事作戦が成功したのにもっと喜んだら」
「ヤジロウさん、二人はロスよ」
「ロサンジェルス?なんで」
「違います。晴兄損失ですよ。せっかく久しぶりに会えたのにロクに話もできなくて別れたでしょ」
「アオイは大丈夫なの本当のお兄さんみたいなだろ、生まれた頃から一緒にいる。そう言えば輝也は昔からの知り合いなんだろ、ひな兄も全然そんな感じじゃなかったけど」
輝也もロスをしているようだ。ボクとアカネみたいに顔には出ていないけど寂しそうだった。
「僕も懐かしくてうれしかったよ逢えたのがでもまだ正体を明かすのが怖いんだ」
「どうして、はっきり僕がカグヤの生まれ変わりだって言えばいいじゃん普通はそうだろ。仲良しだったんだろ、もしかして女の子の時にやばい関係だった」
ヤジロウ、ゲスなこと言うなよ。晴兄はあんたの従姉と付き合ってたんだぞ。ママに内緒で聞いているんだから。もしかして三角関係だった。いやいやそれはないだろう。
「ヤジロウ、そんなんじゃないよ。きっと言いそびれただけだよ。それにボクはロスなんてしていないよ。ほっとしているだけだ。あんたが死んだらどうしようって」
「えっ僕のこと愛していたのひなた」
「バカそうじゃないよ。友達がいなくなったら悲しいでしょ。わかんない」
「私は本当に必死で心配してましたのよ。でも愛してるとかはわからないけど」
アオイそれは愛しているといってるみたいじゃないかよ。フラグ立ってるよ。
「アオイ、そのバカ好きだなんて姉さんは怒るよ。でも晴兄、かっこよかったな。颯爽と現れて颯爽と去っていくいつまでも僕の白馬の騎士だよ」
こっちはこっちで乙女の目になってやがる。あんたが姉さんになるって、ん?それはそれ許せるな。でもリサ先輩も捨てがたいなかっこいいお姉さんだよな。運転している先輩に
「ねえ先輩は晴兄好きなの」
ストレートに聞いちゃった。
「もうなんてことを言うのひなたは、あこがれているだけよ。学園に八雲先生の授業を受けている時に禹歩をお手本で見せていただいたの素敵だったわ。禹歩がよ。あんまり変なこと言わないでよひなたちゃん、これからジェットブースター点火するから、運転に集中させてね。お願い」
んん、その答えの一呼吸がまんざらでもない様子、アカネが先輩の後頭部を睨んでいた。ググンと後ろにGが掛りはっちゃんは時速100キロで走行を始めた。
「名古屋に着いたらまた宝蔵院重工の愛知研究所にいくわよ。またご馳走用意していてくれるかもよ」
お腹が空いて来たよ。その時はまだもっと意外な人物に再会するとは思ってもいなかった。




