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装備品支給

 追手がやってこなかったのは幸いで、ボクたちは自衛隊の富士駐屯地に桑原軍曹たちと戻ってきた。早くご飯が食べたいよ。でもあれだこれだと新しい敵のことなどの質問責めに辟易(へきえき)していた。早く解放してよリサ先輩お願い。

「徳川将官、そろそろ報告を終わらせていただけないでしょうか。この子たちはまだお昼も食べていないんです。また後程でよろしいでしょうか」

「そうかそれはすまなかった。大井川の飛行船が気になっていたもので鬼無瀬(きなせ)一佐、下がっていいだろう」

 やっと解放されるとアカネが遠慮気味に先輩に

「あのリサ先輩、海に飛び込んで体から汐の匂いが落ち着かないのでシャワーなんて浴びれないですかね」

「あっそうね。気持ち悪いわよね。桑原軍曹、手配していただけますか」

「はっ自分が案内いたします。こちらへどうぞ」

 ボクたちをシャワールームまで案内してくれた。

「お湯は出ませんがこちらをどうぞ」

 アカネと輝也がシャワーを浴びている間、ボクは桑原さんとお話をしていた。ここは本州最大の演習所があるそうだがなんせこんな時だ演習は行われていないが訓練は行われているそうだ。ちょっと見てみたいと思い付きで

「桑原さん、お昼ごはん外でバーベキューしても構わないでしょうか。富士山を見ながらご飯を食べるなんて素敵じゃないですか」

「そんな用意を持って来ているのか」

 ボクはアオイのアイテムボックスのことを話した。

「助けられたお礼もある。なんとか許可は取ってあげよう。しかし君たちには何度も驚かさせられる。ちょっと待っていなさい」

 桑原曹士は許可を取りに出て行った。

「バーベキューだって、いいアイディアだなひなた、僕も賛成だ。アオイできるよね」

「もちろん、簡単で申し訳ないですわ、カレーでも一緒に作りましょうか」

「カレーか食べたいと思ってたんだ」

「お待たせ、すっきりしたよ」

「アカネ、バーベキューにするよ」

「まだ許可が取れてないよ。でもカレーはボクも食べたいな」

 すぐに桑原曹士は戻ってきてくれ許可が下りたといってくれた。

「桑原さんもご一緒にどうですか」

「自分は監視として一緒にいるようにと言われたのでそのお申し出はうれしいです。ぜひ」


 富士山の見えるいい場所に案内してもらいさっそくアオイとアカネが準備を始めた。ボクは富士山を眺めていたが、自衛隊員が行列で行進しているのが見えた。何かロボットみたいなものがその中にいた。

「桑原さん、あれロボットですか?」

「あんな遠いところのものによく気が付いたね。あれはロボットじゃないよ。宝蔵院重工が開発した『KARAKURI(からくり)』と名付けられた七式強化装甲だよ。装着すると身体能力を数十倍にあげて異界獣と対等に戦うために開発されたんだ。まだ数機しか配備されていないがもっと数があれば大井川攻略に威力を発揮できるんだけどな」

 すごいなSFに出てきそうだ。創り出したテンミニッツはもしかして宇宙人なのかな。


「ひなた、串に刺したお肉を焼き始めてくれない。そろそろご飯が炊きあがるから」

 焼くだけならボクでも大丈夫だ。自衛隊から借りた薪コンロ、これも桑原さんが手配してくれボクは火を(おこ)して、アカネが作った美味しそうなバーべーキュー串をきれいに並べた。

 B.B.Q.だなんて、パパとママならここでビールをぐびぐびだな。先輩も桑原さんも仕事中だからかわいそうだな。

「リサ先輩、ビール飲みたいでしょう。内緒でちょっとくらいならいいんじゃない」

「いいわね。でも私は呑まないの」

「えっ下戸なんですか」

 桑原曹士は笑いながら

「その逆だよ。とんだ大酒飲みの蟒蛇(うわばみ)だよ、自分なんて足元にも及ばない」

「もう桑原軍曹、ばらさないでよ。この子たちを家まで送り届ける任務を全うするまで禁酒しているの」

 それは大変だ一日たりとも酒を抜かないパパとママには到底無理な荒行だ。

「ごめんなさいそんなことをしているなんて思いもよらなかったです。うちの家に着いたらパパとママが相手するから思いっきり飲んでくださいね。ご馳走します」

「ありがとう、楽しみしているわ」

「そうでした。伝え忘れておりました。鬼無瀬(きなせ)一佐には、二式強化装甲が支給されるそうです」

「あれを配備させてもらえるのよかったわ」

「先輩あんなごついもの着るんですか」

「違うわよ。簡易型のパワードスーツでほら、七式強化装甲の後ろに走っているヘルメットをかぶった兵の装備よ。ヘルメットをかぶりスイッチを入れると装着できるスーツなの防弾性に加えて身体能力もアップできるすぐれものよ」

 晴兄の大好きな特撮ドラマ見たいだなと思った。

「もしかして変身とか装着とか言っちゃうんですか」

「そんなハズイこというわけないじゃない。ひなたはそんなの好きなの」

 ボクは即座に「はい、大好きです」と答えた。

「それと君たちにはこのツールを魔石で作動する通信装置だ。便利だよ」

 桑原軍曹から五つイヤホンを渡された。ヤジロウはさっそく耳にはめ

「どうやって使うんですか?」

「人差し指でイヤホンを押さえて通信したい相手を思い浮かべて話せばいいのよ。みんなに話したいときにはそうイメージして」

 と先輩が言うと走り出してヤジロウはみんなから離れていった。

「あら、いやだ、ヤジロウさんたら」

 アオイがつぶやいていた。何を言っているんだろう。ろくでもないオモチャ手にしてしまったようだ。

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