Episode3 〜予兆〜
導明が皆に問いかける
「みんなは時間が戻る直前、頭の中で何か聞こえた?僕は聞こえたんだけど・・・」
「我、このものに力を・・・」とか聞こえたな。
剛がそういうと、遮るようにして秀が言う
「我、このものに力を与えたり。力に惑わされることなかれ、溺れることなかれ・・・」だ。
「そうそう、そんな感じ」という剛の返答に、他のメンバーもうなずいた。
その反応を見た導明は
「よかった、僕だけじゃなかったんだ。っていうことは、あの人は本当にお釈迦さま?!そのあたりは信じられないし、力っていうのが分からないよね。アニメみたいにパワーアップした感じもないし」
「うちも特に力とかは感じんわ。夢かと思ったけど、全員聞いてはるってことはそんなことみたいやし」と彩心が話したと思うと、ドサっと音がした。
そこには尖が倒れていた。少しパニックになりながらも剛が担ぎ上げ、医務室に連れていった。
医務室にいた医師は、突然入ってきた学生たちに戸惑いながらも抱えられていた尖の姿と剛の雑な説明を聞き、診察室に案内し初期診断を始めた。そうすると、5秒も経たないうちに医師が呟いた。
「急に倒れたんですよね?診断結果というか症状ですが・・・寝てます」
「えっ、寝てる?!」
「寝てるってなによ。心配して損した〜」
緊張の糸が切れたこともあり、診断結果に叶実は笑ってしまった。
そうして、次の早朝に尖は目を覚ました。