表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

Episode1 〜巡り合わせ〜

人間界でいう2010年、神たちが住む神界では1人の神が嘆き苦しんでいた。

その名は『釈迦シャカ』。仏教の開祖とも言われ、その教えにより多くの人類を救ってきた存在である。


そんな彼が嘆く姿は、神界の住人たちから見ても気の毒に思うほどだった。

あるときオリュンポスの最高神ゼウスが釈迦に聞いた。「なぜ、それほどまでに悲しむのか」と。


釈迦は無気力な表情を浮かべながらも答えた。

「人間界にある日本という国の人々から希望が消えていくさまが耐えられない。自身の教えを信仰してくれている者もいるが、十分な助けにはなっていない。ただし、神は人間界に不介入が原則だ。このもどかしさをどこに向ければいいか分からず悲しんでいるんだよ」


するとゼウスは言った

「たしかに私たちが直接手を下すことはできない。それならば、神の使者としての運命を背負った人間に力を与えてはどうか?」と。

釈迦とゼウスとの会話があってから20年ほど経ち西暦2030年。

場所は国会の衆議院委員室。そこには全国から集められた高校生の男女7人が座っていた。


「では、みなさんもお揃いになったようですので、第一回 維新志士の会を始めていきたいと思います」

学生たちの退屈そうな顔を尻目に司会の女性が話し始めた。


「この維新志士の会では、次の世代を担う若者の皆さんにも積極的に政治へ興味を持ってもらえるよう色々なイベントを用意しています。現役の国会議員さんと話す機会もありますので若者が求める政治や日本の在り方について自由に発言してください。みなさんの言葉を届けて将来の明るい日本を作っていきましょう!」


「何が明るい日本だ、高校もろくに行けずに働いているダチがいるのに何もしてくれないくせに・・・」

と一人の男子学生がつぶやいた。

返事をするものはいなかったので特に意見交換にならないと思ったその時

「そうだな。私も今の日本は悲しい顔をした子供たちが多く、同じように悲しいよ」とどこからともなく声が聞こえた。驚いた表情をした学生もいれば、えっと声をあげてしまった学生もいる。

その状況に司会の女性が困惑しつつ、

「みなさん、まだオリエンテーション中ですのでちゃんと話を、ハナシを、ハナシ、ハナーー」


「?!、なんだよ!この人、止まってる。。。どういうこと??」

先ほど愚痴を漏らした学生があたりを見渡すと、自分を含め、この場に集められた7人の高校生だけが動けていることがわかった。


「なんの冗談だよ!最新のARか?それとも夢か?どうなってんだよ!・・・」


少し声を荒げていると、また頭の中で声が聞こえた。

「君たちは選ばれた。子供たちが明るく笑って暮らせる未来を作るため、特別な力を持つことを許されたのだ。今から目覚める力で悲しみで溢れた世界を救ってほしい」


すると別の学生が

「世界を救う?特別な力?そんなSFみたいなことあり得ないだろう。そもそも、あんた誰だよ。まぁ夢の中で聞いても返事が来るわけないかww」


「僕の名前かい、釈迦だよ!釈迦!知らない?けっこう有名な方だと思うんだけど」


すると別の学生が驚いたように

「釈迦って仏教を作ったっていう釈迦のこと?!すご〜い!っていうか、そんなフランクな自己紹介されても雰囲気と合ってないよww」と言う。


「そうだな、いきなり釈迦と言われても信じられない。この状況も不可解には変わりないが」

隣に座っていた学生がつぶやいた。


「まぁそう言わずに。そんなに疑われちゃうと僕も悲しいよ〜。みんな純粋な気持ちで信じて見てよ!まぁとりあえず本題の話に戻っていいかい?」

そう言うと、誰の返事も待たずに釈迦は続けた。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ