暗殺しに行ったら対象が可愛すぎて一目惚れしたから絶賛逃亡中!
アルコ・バルバトス(17)は、その界隈では組織に忠実で失敗しない若き天才アサシンとして有名だ。ただし彼女と出会うまでは…
「おまえお嬢様の話聞いたか?」
「あーあれだろホステス家に嫁ぐって話だろ」
「なんとも可哀想だよな、確かホステス家の長男はデブでめちゃくちゃに気持ち悪いで有名だよな、しかもお嬢様17歳に対して34歳。あの純新無垢なお嬢様が嫁ぐには、もったいないしお嬢様が可哀想だよな」
大きな扉の前で、警備兵のような男たちがだべっている。現在p.m.3だとゆうのにそこそこの声の大きさだ。
「すまんな眠っててくれ」
「おい!大丈夫か!」
「お前もだ」
アルコが、片方の男に睡眠の吹き矢を放ちもう片方の男が油断しているうちに、首を絞め二人を気絶させ扉の中へはいる。
「これが今回の暗殺対象エラ・ガーネットか。にしてもここまでの警備は、重要度の割に全てザルだったな。まあ、すまんなお嬢さん君が生きているら事が気に食わない人がいるらしくてな、それにしても結構酷いな生を否定するとは」
喋りすぎなくらい喋るアルコは、腕に巻き付きているガントレットから暗器を出しながらエラのベットへ近づく。
「にしてもいい家だな。ある意味こんな家に生まれたからこうなってるのかもしれないが」
「うん…お父様…?」
「やば、声でかかったか?」
警備兵の声がデカすぎたのか、アルコの声なのか分からないがエラが目を覚ます。
(とりあえず一旦隠れよう、独り言で対象が起きてバレて警備呼ばれて任務失敗はダサすぎる)
アルコは、エラの部屋の壁に這って部屋の状況を探る。
「あれ?お父様じゃないの?お父様ー隠れて遊んでるの?」
これで本当にお父様だったら相当愉快な、お父様だろう。それはさておき、エラがレースのかかったベットから降りようとする。
(このまま、対象が俺の真下まで来るのを待つか)
綺麗なロングの銀髪に17歳とは思えない幼い顔つき、そして目の中に宝石を隠したような綺麗な青い瞳。
ベットから出てきた彼女は、その瞬間アルコの心を奪った。
「!?」
(落ち着け、アルコ・バルバトスいくら対象が可愛いからと言ってもためらうな。失敗したら組織の名を汚すことになる、それだけはやってはならない)
「お父様ーいるなら出てきてくれますかー」
父親を探し部屋を見て回るエラ、とうとうアルコが這っている位置の真下まで歩いてきた。
(よしきた、落ち着けアルコ相手がいくら可愛くて好みどストライクで、一生を添い遂げたいと思っても俺はアサシンだ)
自分の心を落ち着かせ、いつもの仕事人の目となったアルコは暗器を出しながらエラ暗殺のために背後に降りる。
「エラ・ガーネット」
「は、はい」
背後からの急な声がけに戸惑いながらも返事をし、後ろを振り向くエラ。
「すまないな俺はお前を…」
「殺さないでくだい」「いや、あなたに一目惚れしました僕と結婚してください」
「へ!?」
両手を握られたことと、見当違いなことを言われ拍子抜けするエラ。さっきのアルコの目は、仕事人ではなくプロポーズの覚悟なのかもしれない。
「あなた、私を殺しに来たのでは?」
「本当はそうなんだが、どうしようもないくらいエラさん君に一目惚れしました。それでもよく分かりましたね、自分が殺されること」
「それは、何となくでしかないんですけどお父様や他の人たちの対応が、お兄様たちとは違くて。それで気ずいたんです、私他の人たちとは少し違うって」
厨二病風に喋るエラ。アルコはエラの手を取りながら、熱心に聞いている。
「結婚だって軍事力の強いホステス家に預けるためですし。そこでお願いなんですけど、私を誘拐して守ってください!」
「え?俺は嬉しいけど、エラさんいいの?結婚だよ」
「私にだって選ぶ権利は、ありますし第1ヤコバさんの目線とかがちょっと苦手で」
ヤコバとは、ホステス家の長男で先程警備兵達が言っていた男のことだ。
(さっきの警備のザルさを見ると、他のとこに預けたがるのも分かるな)
「それじゃあ俺のプロポーズは…」
「それは、考えさせてください」
「やはり関係値か。とりあえず逃げましょうか」
エラを小脇に抱え部屋の窓から、飛び出し森の中の闇に消えていく。
エラを攫ってから2日、もといたガーネット領から少し離れた森で野宿していた。
「おはようございます、アルコさん服出して貰っていいですか?」
「おはようございます、服ですねはいどうぞ」
アルコは、腕に付けているブレスレットからエラの服を取り出す。アルコの持っているブレスレットは、収納の魔道具でアルコの仕事道具や野宿用の道具などが入っている。
「でも、良かったですよね誘拐してからすぐ服のこと気づいて」
「そんなことよりアルコさん、そのブレスレットしばらく私が預かってもいいですか?」
「構わないですけど、なんでですか?」
「それは…その、し…が」
「し、なんですか?」
「し、下着を出さなきゃ行けないので!」
顔を赤らめながら大声で、理由を話す。
「あ、すみませんどうぞ」
「あ、いえこちらこそすみません」
「ま、まあとりあえず朝ごはん食べましょうか」
エラが起きる前から、料理していたベーコンエッグをさらに盛りつける。
「でもありがとうございます、朝ごはん作ってくれて。しかも結構美味しいやつ」
「いやいや好きな人のためならなんとでも」
今までの仕事をする時の人殺しに躊躇いのない性格とはうってかわって、恋に直進するような特急列車に変わってしまった。
「荷物は全部しまいましたね、次の街はもう近いので今日中に着くと思います」
「そういえばなんですけど、アルコさん組織を裏切ったって言ってましたけど生活費はどうするんですか?」
「とりあえずは、色々な町を回りながら冒険者としての生活ですかね。一応金級ではあるので」
冒険者とはギルドから仕事の依頼を受け、その報酬で金を稼ぐ仕事で冒険者には、ランクが五つあり下から 銅→銀→金→ダイヤ→ミスリルとなっている。
「じゃあ私も一緒に」
「て言っても俺貯金は結構あるので、しばらくは働かなくてもいいですけどね」
組織からの仕事でそこそこの金は貰っていたけれど、ほとんど使うことがなかったため結構な貯金が溜まっていた。
「そうですか、しばらくは旅行ってとですね」
「そうです、新婚旅行です」
「まだ、結婚はしてません」
2人のこれからに着いて話していると、ガーネット領 グラナートゥムの隣街 アグリカルチャーの目の前までやってきた。
「ここが隣街来たことがないので新鮮です!」
「ここは、農業が盛んらしくて野菜とか果物が美味しいとか。あれ?エラさん?」
「アルコさん助けてー!」
急にアルコの横からエラが消え、周りを見渡すとエラが何者かにさらわれていた。
(裏切りがバレたか早く助けないと、エラさんが殺される)
「アルコ・バルバトスちょっと待て!」
「誰だお前」
エラを攫った男を追うために走ろうとすると、フードを被った男に呼び止められる。
「俺は、お前の同期のフォート・ベルトだ組織を裏切るとはお前も落ちぶれたな。裏切りの罪でお前を殺しに来た」
「そうか、なら早くしてくれエラさんを助けないといけないからな」
「天才のお前と戦えて光栄だ、俺も本気でやらせてもらう!フラッシュバン!」
フォートが、不意打ちで目くらまし魔法フラッシュバンを唱える。
「遅い、もっとアサシンらしく行動しろ。なんなら朝じゃなくて、夜にこい」
不意打ちを読んでいたかのように、フォートの後ろに回り込みクビに暗器を突き刺し殺す。
「すまんな、エラさんが危ないんだ。神速」
フォートを殺したあと、男が逃げた方向に走り始める。
(あいつらが逃げたのはこっちだから、暗殺者の目で…)
「ここまで来れば、あの稀代の天才アサシンも追って来れないだろ。」
男は、暗器を出しながら縛っているエラに近づく。
「エラ・ガーネット組織の名において死んでもらうぞ」
「死ぬのはお前だ」
「な、なんでお前がここに」
エラを殺そうとする男の後ろにアルコが降りたつ。急なアルコに驚き体制を崩し尻もちを着く。
「ダメだろもっと離れないと、俺は暗殺者の目が使えるんだから。大丈夫ですか、エラさん」
「お、おい!なぜお前のような才能に恵まれた奴が、組織を裏切ったりした!」
「俺はエラさんに惚れた一目惚れだ、この想いは誰にも邪魔させない。またエラさんを殺しにくるなら、容赦なくお前ら組織の人間を殺す。まあ、お前は今から死ぬからそれを伝える人間はいないんだけどな」
アルコの逆鱗に触れてしまった、男に鬼の形相で近づく。
「ちょっと待ってください!この人を殺さないでください」
「でも、君を殺そうとしたやつだよ許せるわけが…」
「私が許したので、とゆうか非常時以外は殺しはなしでお願いします」
「まあ、エラさんが言うなら。命拾いしたなまあ、とりあえず気絶してもらうけど」
アルコの腕を掴み引き止めたエラの話を聞き入れたアルコは、暗器をしまい手刀で男を気絶させる。
「とりあえずかたずきましたし、急いで街の方に戻りましょうか」
「はい」
男を放置して、急いで街の方に戻る。フォートなどと戦っていたのは結構短時間ですみ、まだ朝と言っていいくらいだった。
「とりあえず元の場所に戻ってきましたね」
「それでは観光を」
「その前に宿を取りに行きませんか?」
「それもそうですね、朝のうちに取っておきましょうか。急ぎましょアルコさん」
急いで宿を取りに行く、この街の宿はギルドと共に併設されているらしく宿の受付は、ギルド内でできた。
「一部屋二名様ですね、こちら鍵になるので紛失等されないようお気おつけください。あとこちら、チラシのようなものですです」
「これは?」
「最近さらわれたガーネット領のお嬢様の手配書です。連れ帰ったら一応報奨金も出るらしいので」
「あー」
手配書を見ながらエラの方向を見ると、下を見て顔を隠している。ちなみに手配書には、こう書かれている。
名前:エラ・ガーネット
特徴:白くて長い銀髪、青い目、顔は13歳くらい
「あれ?そこのお嬢さんも、綺麗な銀髪ですね」
「そうですよね、いやーこれでこのエラさん?と間違われて誘拐でもされたらたまったもんじゃないですね、あはは」
軽い棒読みでエラの手を引き、急いで宿の部屋に入る。
「手配書か、少しまずいですね」
「お父様相当、怒ってるかもしれないですね」
「とりあえずは、髪の色を変えましょうか。エラさんブレスレット中緑色にの宝石の着いた、ヘアピンありますよね好きな色をら思い浮かべて付けてみてください」
「これですか?とりあえず」
エラがヘアピンをつけると、髪の色が銀からグレーに変わっていく。
「グレーですか、結構似合ってますよ」
「ありがとうございます、それじゃあ観光に…」
「ちょっと待ってください」
「はい?」
「改めてプロポーズさせてください。僕はあなたに一目惚れしました、それにその心優しいところも好きです結婚してください」
一段落着いたところで、アルコが改めてエラに結婚を申し込む。
「だから結婚はまだ…」
「ですよね」
「でも、私もさっきのアルコさん見ててかっこいいと思ったので…お付き合いからなら」
「…本当…ですか?」
「ほ、本当です」
「やったー!これからよろしくお願いしますねエラちゃん」
「も、もう早く観光行きましょ。ちゃんと私の事守ってくださいね」
「それは、可愛い彼女のためなら」
警備と保護対象から、彼氏彼女の関係に成長してからアグリカルチャー観光に出かける。
私個人的には、この作品を連載したいと思っているのでその時はどうかよろしくお願いします。
またこの作品を元に私の別の作品も見ていただけると嬉しいです。
もし良ければブックマーク、評価等々よろしくお願いします。