表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヤラカシ家族の386日  作者: たかさば


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

206/208

12/15 ☆トラックボール

「ああ!!ない!!」


仕事をしようとパソコン前に座り、電源を入れ…起動画面から視線を下げた私は声をあげた。


なんと…トラックボールの、ボールの部分が…ないのである!!!


トラックボールをご存じだろうか。

パソコンの入力デバイスである。

入力デバイスってのは、パソコン使うときに文字打ったりアイコンクリックしたりする機械の事。

一般的には、キーボードとマウスが広く認知されていましてですね、有線、無線といろいろありましてですね。


マウスってのは、マウスに手をのっけて、左右に動かしてアイコン選択する。

トラックボールってのは、手を動かさず、親指でボールを転がすことでカーソル位置を移動させるやつなんですよ。


私はマウスではなく、トラックボールを愛用しておりましてですね。


通常、入力デバイスの選択時に第一選択されがちなマウスの影に隠れてしまいがちなこのトラックボール、実は非常に使いやすいのだ!

気のせいかもだけど、肩こりも少ないようなイメージがありましてですね!

長年愛用させていただいているわけなのですけれども!!!


ちょっと待て、肝心かなめの一番重要な部分がないと…使えない奴じゃん!!!



「ね、ねえ!!これくらいのさあ、青い球、知らない?!」


「知らない。」

「うわ!!何これ!!穴開いてる!!ウケる!!」


なんでいきなり無くなった?!


…昨日HP更新した時は確かにあったはずだ。

今朝は…パソコン使ってないからわかんないな。


「ぐおお!!か、カーソルどうやって動かす…?ああ、なんか穴の中に指入れたらなんとなく動く、けどこれは駄目なやつだ!!」


「一応精密機械だしさあ、中、触んないほうがいいんじゃないの?」

「ボール捜そう。」


くぅ…、わりと急ぎの仕事があるんだけどな。


仕方がない、ペンタブで何とか…。

くそう、トラックボールがないと地味に使いにくい。


「ねえねえ、ペンタブで右クリックってどうやるんだっけ・・・・。」


「あたしわかんないよ!!」

「ボールないね。」


普段使いのものにいきなり不具合出ると…こんなにもてんてこ舞いになるものなんですね!!

予想外の出来事に対応できるようなスキルをもちなさいと普段あれほど口をすっぱくしていっている私ですけどね、自分の身に降りかかってくるとですね、ええとっ!!


「ボールあった。」


息子がホコリだらけのボールを差し出し…。


……うん?

こ、これは?


青い玉を穴の開いたトラックボールに押し込む…。

ち、ちがう!!

微妙にカーソルが空回りしている。


「これ、前に使ってたやつのボールだよ!!サイズが合わないもん、今頃出てきたよ!!あんだけ探してなかったのに!!!」


「もうそれつかっとけば?」


さっき指を突っ込んだときよりはまあ、使える。

でも如何せんイライラがハンパない…。


「あった。」


息子がホコリだらけのボールを差し出してくれたので、ありがたくいただいてフリースの端っこで拭う。

…ムム、なんか白い傷があるぞ。

さては落として…って、ちょっと欠けてるじゃん!!!


欠けた部分を上に持って来て、無事な部分をくぼみに押し込み…。


「ああー!!これ、これだー!!でも欠けてる、使えるのか…?」


よし、動きは順調だ、だがしかし。

親指の腹に違和感が…地味に気になるな、こういうの。


「うう、欠けた所が地味に気になる…。誰だ!!落としたやつ!!!」


「あたしじゃない!!」

「僕じゃない。」


犯人は、犯人は、犯人はッ!!!

腹の肉でトラックボールを弾き飛ばしたに違いない、あいつ(旦那)だな!!!


「・・・許さん!!」



違和感有りまくりで作業を終えた私は、怒り心頭で晩御飯のチーズフォンデュの準備を始めましてですね。

猫舌の旦那は…熱々の食べ物が苦手なのだ!!


「今日は牛乳多めでぐつぐつ煮立てたチーズにしてやろう…。」


旦那の口の中をやけどでべろんべろんにしてやるわっ!!!




「ただいまー!あ、これ、新しいトラックボール。」


ホーロー鍋でチーズを練る私のもとに、旦那がニコニコしてやってきたぞ。


「朝さあ、パワーポイントの本借りようとしたら落としちゃって!ボールなくなっちゃったから新しいの買ってきたー。」

「やっぱりあんたか!!!もー大変だったんだけど!!!」


新しいトラックボールは、赤い玉らしい。

……ちょっといいやつだな、ボタンの数が多い。

…ちょっと待て、使い勝手が…解らないぞ。


「それねえボタン多いから使いやすいよー、後で変えとくわ!」


「あ、ありがとう・・・。」


ありがたいことだ。

けれどどうも毎回こう、ちょっともにょるんだよ、旦那にはさあ…。


何で落としてボールなくしたって連絡しないのかとかさ。

何で同じメーカーのトラックボール買ってこないんだとかさ。

何で後で変えとくわって言うくせにご飯食べたらぐうぐう寝ちゃうのかとかさ。


…しかしながら、怒りは収まったのでね。


卓上コンロでぐつぐつやりながらのチーズフォンデュは却下して差し上げましたのことよ。

具材も冷ましたものを用意して差し上げましたのことよ。

冷たい牛乳を用意して差し上げましたのことよ。


まあ、私はいつも通り…、無事に腹七分目しか食べられなかったわけですけどね!!!



結局トラックボールの設定も変えてもらえなかった私は、自分でなんとかしましてですね。


ずいぶん使い勝手の良い最新機器に、ずいぶんご機嫌になりましてですね。



「一応、取っとくか…。」


次、またいつボールが紛失しても対応できるようにですね。


傷のついたトラックボールを机の引き出しにしまいこんだ、という、お話……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ