8/30 ペットボトル、捨てたい
今日はペットボトルの回収日。
今日こそ、たまりまくっているペットボトルを捨てたい。
このところ地味に地域のイベントが多く、調子の良いことを言って気軽にゴミを家に持ち帰ってくる旦那のせいで玄関に足の踏み場がないのだ。
ラベルを剥がして、キャップを取り外し、中身も水洗い済み。
キッチリあとは回収で持ってってもらうだけの状態にしてある。
業務用の大きな透明ゴミ袋を抱え、ゴミ置き場へ。
先に出されているゴミ袋が、ひいふうみい…五つほど。
真夏の暑い盛りという事もあり、清涼飲料水の消費が増えているのだなあとしみじみ思っていると…うん?
…ずいぶんやんちゃな出し方をしている人がいるな。ラベルは剥がしてないし、キャップもついたままで…醤油のボトルも入っている。
これでは持ってってもらえないだろうなあ…持ってってもらえなかったゴミっていつの間にか失くなってるけどアレは誰がどう処理してんだろうなあ…そんなことを考えながら、礼儀正しいゴミ出しができている袋の横に置き、朝イチで予約してある歯医者の定期検診に向かった。
「え…うそ、なんで?!」
歯石を根こそぎこそげ落としてもらってスッキリ帰宅していた私の目に、見覚えのあるゴミ袋が飛び込んできた。
ひとつは、醤油のボトルが入ったマナー違反のゴミ袋。
もう一つは…私が出したバカでかい透明ビニール袋に入ったゴミ袋!
回収できませんという黄色いシールが目立つ場所に貼ってある。
マジックペンで、『ラベルは剥がして出してください』と書き込まれているぞ!!
キチンとルールを守って出したのに、どういうことかと思って確認すると…げえ!!
なんか、私の出したゴミ袋の中に…ラベルが付いたままの飲みかけのペットボトルが一本、入っとるがな!!!
どうやら、ゴミ捨て場を通りがかった誰かが私の出したごみ袋を開け、突っ込んでいったらしい。
……なんてことしやがる!!!
ペットボトルのゴミの回収は二週間に一度。
このバカでかいゴミを、また玄関に持ち帰る?!
……家の中に再び持ち込むことは、回避したい。
私は憎たらしい誰が口をつけたかわからない飲みかけのペットボトルの皮をはぎ、ふたを取り、中身を土手下にある排水溝にぶちまけ、庭の散水ホースで内部を洗浄し、ゴミ袋の中に戻して…大型スーパーに出向くことにした。
普段使わないこのスーパーには、ペットボトルの回収専門コーナーがある。
自分はいつもゴミの回収日に出すので利用したことがないけれど…、スーパーに来たついでに2,3本づつ廃棄している奥さんや大きなゴミ袋で持ち込んでまとめて処分しているおじさんを見かけたことがある。いつかゴミ出しで困ったりしたら、持ってこようと思っていたんだよ。
バカでかいゴミ袋を持って、回収コーナーに向かい、ふたを開けて…投入し始めた、その時。
「ちょっと!!!そんなに大量に持ち込んで…一気に入れたらいっぱいになってふたが閉まんなくちゃうでしょ!!」
スタッフと思われるおじいさんが近づいてきて、怒られてしまった。どうやら、大量の持ち込みは歓迎されていないらしい。
「あ、スミマセン…初めて利用するので、勝手がわからなくて」
とりあえず謝っておこうと思って、頭を下げたのだが。
「ねえ、これ洗いが甘いよ、よく見て、これ中に茶色い水が残ってるじゃない!!だめだめ、持ち帰って洗ってきて!!!」
すべてちゃんと洗っていたつもりだったのだが、処理が甘かったらしい。
…っていうか、全部が全部洗いがぬるいわけではないんだから…綺麗なやつだけでも捨てさせてもらいたいんだけどな。
「きれいなやつだけでも捨ててっていい?」
「ホントにちゃんと洗えてんの?ここはね、マナーのなってない人には使ってもらわないって方針なの、ルール違反の人をのさばらせるなんてもっての他なんだよ、そもそもねえ…」
…この人、機嫌悪いのかな。
なんで私、初対面の人に悪意むけられてるんだろ、そんなに悪いことしたのかな…ここを利用している人ってそんなに几帳面にルールを守って出してるんだ、とりあえずゴミ回収してもらえるレベルの洗浄はできてると思ってたんだけどな…そんな事を思っていた、その時。
ざぼっ!!!
真横で、ラベルも剥がさずふたも取らず、中身も入ったままのペットボトルを投げ込んだ、ちょっとこわもての…おっさんが!!!
「人としての誠意ってもんが欠落してんだよ、最近の人はね!!こっちは懸命に仕事に…」
……。
今の、見てたよね??
目で、追ったよね?!
ねえ、なんでこの爺さん、明らかなルール違反者をスルーして…私に説教してんの?
「あの、私に言うよりも、さっきの人に言った方がいいのでは?明らかにルール違反してますよね私は
「あのねえ!!人の事は良いの!!あなたの事を私は注意してるんだから!!」」
…ダメだな、これは。
なんかめんどくさいなと思った私は、ペットボトルのゴミをそのまま持ち帰ってですね。
「ちょ!!!何でまた…増えてんの?!」
「だってさあ!!みんなマンション住まいだし置く場所がないって!!わざわざ持って帰ってもらったらかわいそうじゃん!うちが回収してゴミの日に出せば丸く収まるんだから、それでいいじゃん!みんなありがとうって言ってくれたんだから、それでいいじゃん!!!」
玄関の中に入れるのは嫌だったので、ガレージの端っこにゴミ袋を置いたら…袋の数が増えとるがな!!!
こども夏休みラスト祭りの会議に行った旦那が、まああああああああああああああああたイイ顔してまるっと引き受けてきとるがな!!!
「はあ?!かわいそう?!そんなんあたしが一番かわいそうだわ!!!クソジジイにいじわるされて、自分だけペットボトル捨てられずに持ち帰ってきてさ!!しかもゴミ倍増で、持ってきたデブは持ち帰るだけでラベルも剥がさずふたも取らずもちろん中身も洗わずで!!!だいたいね…」
「まあまあ、そうカリカリしなさんな。多分ね、そのおじいちゃん機嫌が悪かったんだよ、最近暑すぎる日が続いてるし!!お母さんはショボそうだしタゲられただけなんだって!!別んとこ捨てに行こ!ついでにうまいもんかお!!そうだ、そういえば梶田さんとこのマキちゃんがペットボトル回収マシンのこと話してたよ、なんかねえ、いれるとポイントが入って、割引券が出てくるって!!そこ行ってみよ!!めっちゃ儲かるかもじゃんね!!!」
かくして、どでかいペットボトルのゴミを積み込み、噂のペットボトル回収マシンがあるスーパーに出向いたのだけれども。
「あのう…、これは子供さんに喜んで入れてもらうよう設置されたものなので、できれば大人は遠慮してもらいたいっていうか…」
「へっ?!そうなんですか?!すみませんごめんなさい!!」
ということでですね。
いつまでたっても…ペットボトルのゴミがですね。
スッキリとすてられない家族がですね。
どこかにいるっていう、お話なんですけどね…。