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橘家の秘密。  作者: 漣
1/1

橘家の朝。

兄弟同士のラブが苦手な方はブラウザバックお願いします。


ブラコン兄弟たちが身内同士でイチャラブしたり身内以外とイチャラブしたり…


メインは1×3。

あとはお楽しみに♡



橘家長男、一矢の朝は早い。

もともと朝に強いのもあり、今日もまたアラームが鳴る前に目が覚める。

ただ昨夜はまともに寝れなかったのか、今日は一段と瞼が重そうだ。


自室がある3階から1階のリビングまで眼を瞑りながら下りる。

途中ある中途半端に低いドア枠を慣れた様子でくぐりながら。


ーそろそろ髪切るかぁ…

もともと好きで伸ばしてるわけではない真っ黒な髪を鬱陶しそうに頭の上で束ねると、整った顔と神秘的な瞳が朝日を浴びて意識が覚醒し始める。


洗面所で顔を洗うと長いまつ毛に水が滴って、より神秘さを増す。

鏡を見ながら、筋トレはとっくにやめたのになぜこんなに筋肉が落ちないのだろうかと不思議に思うが、そんなこと考えてもしょうがないので何も着ていなかった上に洗濯済みの服から適当にTシャツ引っ張り出して着る。


そしてキッチンに立っていつも通りコーヒーを準備する。

それだけなのに、着ているシワシワのTシャツやボロボロのスウェットすらまるでブランドもののようにに見えてしまう。

ちょんまげなのに…





橘家次男、二佐の朝は…もはや朝ではない。

昼過ぎにやっと起きて2階の自室から出てきたかと思えば、

3階に兄が居ないか寝ぼけ眼で確認し、居ないとわかると不貞腐れながらリビングまで下りてまたソファーで惰眠を謳歌する。

本当は兄のベッドで寝たい気持ちを抑えてリビングで寝る自分を偉いとすら思っている。

ドア枠に頭をぶつける心配は言うまでもなく、もはや両手を掛けて伸びをするためのものである。


ーいちくん居ないし今日はもう寝る日にする!!

といって1日を無駄にしては弟たちに怒られている。


しかしこんなわがまま王子も寝ている姿はまさに天使。

学生時代の兄の真似をして染めた金髪は襟足を残してクルクルと癖付いている。

長くて密度の高いまつ毛に、マシュマロのような白く柔らかな肌。

寝てさえいれば真っ白な羽が生えていてもなんら違和感はないだろう。

そう、“寝てさえいれば”


起きている時に生えているのであればそれは純黒の翼だろうというのが橘家の総意である。





橘家三男、三緒の朝は忙しい。

2階の自室、アラーム音で起きたらすぐにベッドから起き上がって制服に着替え、ブレザーとネクタイ、鞄を持って1階まで下りる。

っとその前に正面の部屋に眠る2つ上の兄を起こしに行くが一向に起きる気配はない。こちらはもう諦めているので今度は隣の部屋の2つ下の弟を起こしに行く。こっちは学校があるから起きてもらわなきゃ困る。

いつのまにか自分よりも大きくなった弟を起こすのは朝から骨が折れる。

やっと四男の意識が覚醒し始めたことを確認すると1階のリビングまで若干急ぎ気味で下りる。


ドア枠は多分頭を下げなくても大丈夫な高さだが、なんとなく怖くていつも少し屈んで通る。


ーよかった、今日は居る日だ!

階段を下りながら香ってくるコーヒーの匂いが彼の大好きな兄がそこに居ることを確信させる。


リビングに行く前に洗面所で顔を洗って歯を磨く。

鏡に映る自分は兄2人とは似ておらず、やさしそうなタレ目にベージュ色の猫っ毛。

かわいいとは言えないガタイに筋肉。

2人とは全く違うタイプの、でもやっぱり整った顔をしている。


て、そんなことはどうでもいい。


「おはよういち兄!」

呼びかける先には世界で1番大好きな人。


「おはよう、三緒」

そう少しはにかんで返してくれる兄が片手にコーヒーを持ちながら触るパソコンの横にはもう一つコーヒーが置いてある。

猫舌の弟のために、上の階から物音がし始めた時に兄が入れたコーヒー。

本当はは苦くて好きじゃなかったけど、毎朝こうやって並んでゆったり過ごす時間が好きだから、この苦さでさえ今は愛しく感じるのだった。


コーヒーを半分飲み終えると、キッチンに移動して自分のついでに四男と次男の朝食を作りながら長男と談笑する。


ーこの時間が永遠に続けばいいのに…

なんて映画みたいな思考に浸ったその瞬間。

お約束のように乱入者が現れるのである。






橘家四男、四季の朝はだいたい兄の怒号で始まる。

「いい加減にしろ!!!」

その日は特に深く眠っていたのか、キレる寸前の三男を久々に見た。

仕方ないじゃないか、成長期なんだから。

そう思いながらも文句を言わないのは、放っとかれたら一生寝ているのではないかと自分でも恐怖を覚えるからである。

そして三男の大好きな時間を自分が短縮させていると気づいているからである。


本来寝起きは悪くないのだ。

ただ眠りから覚めるまでが異様に長い。

だから四男が覚醒したことを確認した兄はさっさと部屋を出て行ってしまった。


ー久々にかわいい顔見たな。

朝からムラっとした四男であったが、幸い考えていることはめっぽう顔にでないのでいつも助かっている。

それに、三男に手を出すなんてことできるほど怖いもの知らずではないのである。

ただちょっぴりそういうお年頃なのだろう。


ある程度落ち着いたので、制服のズボンを履き、シャツを着る。

もとより寝る時はパンツ一枚派なのだ。

これは四男だけではなく、長男と次男も一緒である。

次男に至っては全裸だ。


自分を起こすのに時間をかけさせてしまった三男にお詫びとしてわざとゆっくり準備をする。


洗面所で顔を洗うついでに髪を濡らして寝癖を抑えながら長い茶髪を上部だけ軽く結び、いわゆるハーフアップの状態にする。

鏡に映る顔は三男と同じタレ目のはずなのになぜかそこに優しさはあまり感じられなかった。


ーよし、そんじゃ邪魔しに行くか。

ニヤリと冗談半分で長男と三男の居るリビングまで足を運ぶ。


長男と同じくドア枠を器用にくぐりながら。






こうして橘家の四兄弟の1日がはじまるのである。








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