サイハテのガーベラ
窓の外のから当たる光が、夏真っ盛りである事を教えてくれる。
雲ひとつないような、抜けるほどの晴天。
悲しいくらいにお別れ日和だなぁ。
時々吹く風が部屋に吹き抜けるようで、花瓶のガーベラの花を揺らす。
不意に扉が開いた。
優しくて、真面目で、私の事が大好きで、毎日私に会いに来る彼が今日もやってきたのだ。
彼は一瞬悲しい顔をした後すぐに笑った。
「今日は、とっても良い天気だよ」
彼はそういうと、窓の近くに置いてあるガーベラの花瓶の水を捨て、新しい水を汲んできた。
「昨日は面白い事があったんだ」
彼は毎日私に会いに来るために土産話をもってくる。
私が暇しないように、私の手を握りながら色々な話をしてくれる。
ああ、君といるのは本当に楽しいな。
この半年、毎日会いにきてくれる彼。
またいつの日にか、笑い合えると信じられたら、これからの日々も変わらずやり過ごせるのにね。
「じゃあ、また明日。そろそろ行くね」
彼が来てから1時間ぐらい経っただろうか。
彼は立ち上がり扉に手を掛ける。
扉が閉まれば、このまま離れ離れだ。
あなたの煙は雲となり雨になる。
彼が扉を閉めると私も安心して終わった。
しばらくするとピーと言う音が部屋中に鳴り続けた。
ありがとう。
ありふれた人生を紅く色付けるような、たおやかな恋でした。
さよなら
end.